自分の分身のように子どもの存在を感じている母親は多い。
自分ができたことを子どもに同じようにさせようと思う場合ももちろんあるし、反対に自分ができなかった未完成に終わった目標を、代わりに子どもに達成させようとすることもある。これは無意識的にそんな風に子どもに働きかけてしまっている事が多い。
これが一概に悪、とは思わないが、もしその働きかけの結果子どもの自由を奪ってしまっているとしたら、その背景に母親の自己肯定感の低さがあるとしたら、どうだろう。
今回は母親の自己肯定感の低さが与える子どもへの影響と、親子が幸せになるために必要なことについて考えていこう。
この記事の目次
自己肯定感の低い大人は、必要以上に子どものコントロールをしようとする


自己肯定感をしっかりと持てずに大人になってしまうと、心の中は常に周りの人間にどう思われているかという思考にとりつかれてしまう危険がある。
それは母親となった場合も同じで、お腹を痛めて産んだ我が子可愛さから、この子の人生は自分よりもいいものをと願い、母親自身ができなかったことすらも強いてしまう。
子どもがしっかりと自分の意思を持ち、自立した考えを持ちはじめることはいいことなのだ。それなのに自己肯定感が低いまま大人になってしまった母親は、自分の子どもが自分から自立してちがう考えを持ち始めることをどこかで悪だと思ってしまっているのだ。
母親である自分が考えていることがそのまま、子どもにとっての正義であると思い込み、進学や就職などの進路、果ては人間関係についても自分の考えを押し付けてしまいがちだ。
子どもへの必要以上のコントロールは心の暴力に近いということを、彼女たちは理解できないでいる。
母親の子どもの頃の家庭環境が自己肯定感の低さの原因


自己肯定感の低い母親は子どもの頃の家庭環境は、多くがあまり恵まれたものではなかった場合が多い。それは金銭的な部分だけではなくて、心が安らぐ育ち方をしてこなかったということなんだ。
例えば必ずテストで高い点数を取らなければ両親からひどい怒られ方をした人や、失敗を悪としてしつけをされてきた人たちが当てはまる。
子どもにとって家族は一番身近な社会だから、その家族から認めてもらうことができなかったら、とても苦しい気持ちを持ちながら過ごし、大人になってきたはずだ。
こういう家庭環境は裕福だったり、立派な職業の家系だったり、子どもの両親もまた大きなプレッシャーの中で過ごしていることも大きく影響している。
ただ全く反対の、子どもに対してあまりにも興味を示さなかった両親のもとで育った子どもも同じような自己肯定感の低さに悩まされてしまうものなんだ。
子どもである自分が何をしても、何を言っても、家族が耳を傾けてくれないような環境では、人生にとって何が正解なのか分からないまま大人になってしまう。
しつけや成績に厳しい家庭も、極端に子どもをかまわない家庭も、どちらも子どものありのままの姿を認めてあげていないという点では共通しているんだ。
母親の自己肯定感が低いと、子どもの将来にどんな影響を与えてしまう?


妊娠:不妊がつづく
女性の妊娠については、心の問題だけではなくて生まれもっての体質や、男性側に原因があったりもするし自己肯定感だけでは語りきれない部分もある。
それでも自己肯定感が低いということは、母親自身が自分の存在を認められていないということ。自分の分身のような存在の子どもを心のどこかで拒んでいるような状態では、体も応えてはくれないんだ。
女性はよく、その時の精神的な状態でホルモンバランスの乱れが起きたりすることがあるよね。それって、女性の心と体がしっかりつながっていると言える理由の1つなんだ。
まず自分自身を肯定する力が強くならないと、新しい命はなかなかあなたの所に来てくれない。
幼少・育児期:極度の人見知りになってしまう
自己肯定感が低い女性の特徴の一つに、外の顔と内の顔が極端に違うというものがある。
この特徴が、幼少期・育児期の子どもは隣で体験し学ぶことになる。
親戚や家族付き合いで演じる自分に疲れたり、ママ友たちとの会話や比較に疲れてしまう・・・こんな家と外での態度の違いを子どもはちゃんと見ている。そうなってくると、子どもは家の外の人たちは、ママを疲れさせる敵だと無意識に感じるようになる。
そうなったら、必ず子どもは人見知りをするようになる。
もちろん人見知りの全てが悪いわけではないが、極端に大泣きしてしまうなどは母親の心のあり方から外の人を警戒するようになってしまう事がある、という事だ。
小学生:学習のつまずきの原因に
どんなに有名な塾に入れても、家庭教師を熱心につけても、子どもの成績が思うように上がらず頭を悩ませている母親は多い。
自己肯定感というのは、例えば成績が良いとか容姿に優れているとか、何か条件をクリアして初めて他人に認めてもらうようなものではない。
例えばテストで悪い点を取ってしまった自分でも、冴えない容姿をした自分でも、ありのままの自分を自分で認めることができるということだ。
この自己肯定感をしっかり小学生時代に持てていないと、失敗体験と成功体験を積み重ねていく学習面において自分から学ぶ姿勢が見られなくなってしまう。
テストの問題などの勉強が分からないという失敗体験を乗り越えられないのは、自ら挑戦する力が備わっていないという自己肯定感の低さがどうしても関係してくるのだ。
母親の自己肯定感が低いと、子どもを結果でしか判断しなくなる。母親が自分を認めていないと思えば思うほど、子どもの自己肯定感は低くなってしまう。
中学生:友だちをうまく作れない、部活動をがんばれない
自己肯定感を持てず中学生まで成長してしまうと、どこかいつも自信なさげもしくは、自信過剰のどちらか極端なふうに周りの友達には映ってしまう。
必要以上に自分はだめだと思いこんで何もできないキャラクターになってしまうか、自己肯定感の低さを取りつくろうために自信過剰なワガママなキャラクターになってしまうか、どちらにせよ友だちを遠ざけてしまう。
また部活動や趣味など、自分が「これをがんばる」と打ち込む事を決めれなかったり、一生懸命になることができない。
思春期以降:将来に希望が持てず親子関係の悪化につながる
母親の自己肯定感が低い場合、気がつけば子どもに夫への自分の不満をぶつけてしまうことがおこる。
子どもを自分の分身という意識がある母親は、そうして子どもを自分の味方につけることでどこか安心感を得ようとしてしまうのだ。
もちろんどんな家庭でも、夫への不満や愚痴は少なからずあるだろう。
しかし、子どもの信頼を得るためや不満を解消するために子どもを「味方」につけ、パートナー「共通の敵」のようにしてしまう。
まだまだ幼い子どもは母親の言ったことが、大好きな父親の悪口でも素直に受け入れる。そうした行動を強制してきた母親のことを、精神的に成熟してきた思春期以降におかしいと気付き出し、軽蔑するようになってしまう。
こういう風にして同じように、親子ともに自己肯定感が低い人生の連鎖が起こってしまう。
母親の自己肯定感が上がれば、子どもも同じように上がっていく


母親の自己肯定感が上がるということは、自分に対しても子どもに対しても、夫に対してもだめな部分も許すことができるということ。
子どもは自分が両親、特に母親から認められている存在だと自分で分かればだんだんと失敗することを恐れなくなる。そうして少しずつ成功体験を積み重ねていくことが、自己肯定感をあげることにつながっていくんだ。
あなたが自分を認め、自己肯定感を上げることで、子どもの人生も変わっていくことをきちんと覚えておこう。
母親のあなたが「悪い」から子育てがうまくいかない、とか言いたいんじゃないよ。念のため。
もし「なんでうまくいかないのか」と考えて沈んでしまったり、イライラして子育てを楽しむ気持ちが一瞬もわかないのだとしたら、自己肯定感がそこから抜け出すためのカギになっているかもしれない、ということだ。
あげまん理論ではいつも言っているが、人を変えることはできない。変えられるのは自分だけだ。
それはあなたの旦那さんでも同じだが、あなたの子どもでも変わらない。
あなたが幸せになることで、旦那さんも子どもの人生も幸せになる。
あなたにはそれだけの影響力があるのだ。
幸せな親子関係のために、まずは母親のあなたが自己肯定感を上げて幸せになろう
これまでぼくが話してきた通り、母親の自己肯定感と子どもの自己肯定感は必ずリンクしている。
子どもは常に親の言動を気にかけているし、母親に認めてほしくて、ほめてほしくて、常にうずうずしているものだ。
幸せな親子関係のためにはまず、母親が気持ちに余裕を持って笑ってあげることが何より大切だ。それには母親自身の自己肯定感を上げて自分自身で幸せを手にすることが大切だ。
これから母親になる人も、今まさに母親になっている人も、自分という人間を見つめなおしすべてを受け入れてみることから始めていこう。
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