【前編】ハーバードエグゼクティブMBA・森若ジョン幸次郎×中村あきら対談「いかにして大きな人脈を築いていくか?」

森若幸次郎×中村あきら対談

世界一の教育機関と呼ばれるハーバード大学。そのハーバード大学を卒業し、シリコンバレー・日本など様々な会社の顧問を務める森若ジョン幸次郎さん(33歳)。現在は、政界・経済界の重鎮などのつながりや世界中のハーバードの仲間のつながりなど多くの「人脈」がある。今回はジョンさんに「人脈をいかに形成していくか」をテーマに対談した。
【中編】「シリコンバレーのスタンフォードとハーバードの違い」はこちら
【後編】「自分のルーツを豊かにし、世界を豊かにする」

中村あきら(以下あきら) ジョンさん、お久しぶりです。シリコンバレーでお会いして以来ですね。色んな会社の顧問やディレクター、ボードメンバーなど本当に多くのポジションに就いていますが、具体的に今はどういうポジションで何をされているんですか?

世界各地で顧問やCMOをつとめる

森若ジョン幸次郎(以下ジョン) 長州は山口県下関市から日本全国、世界に向けて、医療機器イノベーションを起こす株式会社モリワカで専務取締役(兼)CIOをしているんですが、他にも7社のCMO、グローバルマネージャー、顧問などを兼任しております。シリコンバレーのスタートアップ企業をはじめ、デンマーク、東京や福岡の企業や九州最大のインキュベーションセンターであるスタートアップカフェBASESなども仲間と運営しております。九州工業大学(飯塚)などでは医療機器開発も連携して自ら行い、私とドイツ人の先生で発明した医療機器を国際特許に出願したばかりです。これは、日本政府のものづくり補助金に採択されて医療機器イノベーションプロジェクトとして推進中です。また、九州工業大学(戸畑)では、宇宙開発研究室のCMOとグローバルマネージャーもしております。また、日本に帰国した際には、一ヶ月に、全国各地の大学、企業、病院などで講演や講義を頻繁に行い、デンマーク等の海外でも発表をしております。

森若ジョン幸次郎の東京講演会ジョンさんの東京講演の様子

あきら 合計で8社もの会社の経営に参画しているのは、どういった経緯なんですか?

ジョン 実際には、現在8社以上の経営に関与しておりますが、これからより多くの組織の経営を支援し、公明正大なビジョンを共有して、社会問題解決をするグローバル企業を増やし、世界を良くしたいと考えております。19歳の頃からオーストラリアに単身7年半住み、シドニー大学在学中にイベントプロモーター、ラジオDJやコラムニスト等をした後、東京で音楽レーベル運営後、父の会社にいち新人社員として入社させて頂きました。そして色々な実績を上げていく過程で、世界一の学び場で、世界中の経営者と共にリーダーシップを学びたいと思い、ハーバードビジネススクールのエグゼクティブMBA(PLD:Program for Leadership Development)に行きました。これは、上級管理者のためのエグゼクティブ教育プログラムで、通常92億円以上の売上げがある企業の経営者が受講する特別コースです。世界中から集まった受講生は、40歳以上の上級管理者か社長ばかりです。私は、日本人最年少ということでそのプログラムを卒業致しました。ハーバードで学んだことで、「決断力」と「実行力」が身に付いたと思います。また、世界中の経営者と友達になることが出来たので、何か悩みがあれば、すぐに連絡して、相談する事が出来き、問題解決を瞬時に行えるので、悩む時間がすっかりなくなりました。

ハーバードビジネススクールハーバードビジネススクールに行ったジョンさん

あきら ハーバードに行ったことがきっかけになって、自身のキャリアに変化があったということですか?

ジョン そうですね。ハーバードビジネススクールでは、世界中のエグゼクティブの同級生が出来、卒業後には、アルムナイ(同窓生)ネットワークの仲間入りをさせて頂いただくことで、良質なグローバルネットワークが爆発的に拡がりました。また考え方や思考スピードに関してもすごい勢いで成長させてもらえました。ハーバードがきっかけで、人とコミュニケーションをとることが凄く楽しく成り、人間関係構築能力が向上し、ビジネスも飛躍し、より豊かな人生を過ごせるようになりました。

ビジョンと教養をもつことの大切さ

あきら ではハーバードにいく前のジョンさん、つまり株式会社モリワカに入社したときは何をしていたんですか?

ジョン 19歳から単身オーストラリアに7年半住んだ後に、地元、下関市に戻って会社で働きたいと両親に意思表明をしてから、6ヶ月間は、会社に入れてもらえませんでした。その間、色々な教養や礼儀作法を学ぶ機会を得ました。そして社長である父からテストをされまして、それをパスしたので会社に入ったんですが、最初はいち新人社員として倉庫当番や事務などを経験しました。半年くらいで営業に異動になり、3週間経たない間に、新規の病院のお客様に3000万円ぐらいのお風呂を販売することができて、弊社のエンジニアと恊働出来、嬉しくて握手をしたときは良い想い出となりました。

株式会社モリワカのでジョンさん

あきら そんな高額なお風呂っていうのもすごいですね。

ジョン お風呂とは言っても、特別浴槽という医療・福祉の分野で取り扱われるものです。その時も買っていただいたのは病院でした。モリワカは山口県下関市から九州、中国地方を中心として全国に、大型医療機械、福祉機器、リハビリテーション機器、医療消耗品など全ての医療・福祉関連製品の開発・販売・修理・メンテナンスから医療機器の開発やOEMを承る医療イノベーション企業です。

あきら 二代目ということは結構歴史の長い会社なんですね。ハーバード卒業してもっと他のキャリアを築こうとは思わなかったんですか?

ジョン 株式会社モリワカは今年で創設45年目になります。父と母が4畳半から立ち上げた会社で、私の原点であり、地域医療をはじめ医療機器産業をずっと支えてきました。実際、ハーバードビジネススクールを卒業して、世界中の有名企業や大使館や大学などからヘッドハンティングの連絡が来る事も在りますが、私は、この会社が世界で一番大切です。大きい、小さいとかそういう物差しで、モリワカを判断するのではなく、「美しい」という価値判断があります。それは、両親が真面目にコツコツを頑張ってきた姿を子供の頃からずっと見て来たからです。

あきら 面白いですね。ぼくからすると、二代目とか跡取りってどういうものか想像出来ないんですけど、入社する前に教養を身につける必要があるってすごいなと思います。具体的にはどんなことをしたんですか。

ハーバードでのパーティハーバードでのパーティの様子

ジョン 父から入社前に「スーツが似合う様になりなさい」と言われました。そして、「社交に必要なスキル」を培う事をさせて頂きました。この頃、コンタクトレンズからメガネに変えて、マジメな身なりをして、きちんとしたビジネスマンになるんだと心に誓いました。その手始めに、6ヶ月間で10キロの減量を元々していたボクササイズをすることで成功させました。そして毎日、社交ダンスのレッスンに参加し、その後には、教養を高める為に紅茶などを飲みながら、経営のお話やクラシック音楽を聴きました。また自動車や一級船舶の免許等も取得しました。教養や一般常識の本を、父から頂き、日本社会で働く準備をしました。その修行期間を通して、社会人として大事なことをたくさん学びました。

あきら なるほど。ぼくは普通の家庭だったので社交ダンスなんて習う機会はまったくありませんでしたね。でも小さい頃から書道やピアノ、野球やバスケ、絵画など色んなものを習わせてもらいました。そういうもので教養によって培われた感性って人の気持ちを理解したり、敏感になったりするスキルが得られるのかなと思いますね。実際にそういうスキルをつかって株式会社モリワカを盛り上げていったんですか?

ハーバード大学でのパーティの様子

ジョン そういった感性もとても役に立ちましたが、何よりビジョンを掲げる事と組織改革が不可欠でした。公明正大なビジョンを掲げ、実行に移し、結果を残す事の大切さと、そのビジョン実現には一人一人がモリワカを支えている大切な家族であるということは常に伝えております。社員のことをモリワカファミリーと呼んでおります。英語の朝礼も4年前から開始して、今では全メンバーが話す事が出来ます。これは、英語が話せる様に成る事で、自分の気持ちをよりダイナミックに表現する事が可能に成り、人とコミュニケーションがより円滑に愉しめるようになることを目的として導入しました。
モリワカファミリーのビジョンとは、「Innovations for A Healthier Life (より健やかな人生のためにイノベーションを起こす)」です。これは3年半前ぐらいから掲げているんですが、ハーバードでもビジョンの重要性を学びましたし、シリコンバレーに行って気づいたんですけど、成功している起業家の皆さんは大きなビジョンを掲げることで人を魅了しリーダーシップを発揮して仲間を増やしています。実際、私もこのビジョンを掲げてからちょうど20ヵ国から人々が下関のモリワカファミリーを訪れ、私達のやっていることをサポートして下さっています。下関には、幕末時に高杉晋作が決起した功山寺があるので、そこに行ってみんなで「イノベーション!」って叫んだりしています。オーストラリアから日本に帰ってきた時には本当に地元・下関に友達が一人もいなかったので、あの時と今とを比べるとビジョンの持つ力はすごいとつくづく思います(笑)。

一流の人が集まる場に行くことで、一流の人脈ができる

あきら その今話してもらった「ビジョンを掲げる」ということをもう少し掘り下げたいんですが、どうしてビジョンを掲げると人が集まると思いますか?

ジョン これは京セラの稲盛会長も同じようなことを仰っていましたが、公明正大な志のもと、より崇高なビジョンを掲げることによって人は集まって来ます。そしてその高く、美しい志の元、強いリーダーシップをとることで、人々をインスパイアすることが出来ますし、人はビジネスにやりがいを感じるようになり、人生の生きがいを見出すと私は信じています。そして、人とビジョンを共有することで、同じ業界でも争い合うことなく一緒に盛り上げていこうという流れに今後はなるのではないかと思っています。

あきら なるほど。ぼくもよくビジョンを話して仲間を集めることがあります。社名も「ユナイテッド・ビジョン」なのでビジョンを語ることでより多くの人を巻き込んで幸せにしたいですね。数社の幹部をやっていますが、どんな企業ですか?

森若ジョン幸次郎の仕事様々な企業のグローバルマネージャー

ジョン シリコンバレーとマレーシアに日本の若者を送り出すインターンシップ企業の顧問をしたり、あとはIT系や経営コンサルティングのCMOやグローバルマネージャーが多いですね。それらの会社にはこの一年間で加わりましたが、内訳は日本とシリコンバレーを拠点にするスタートアップ企業が多いです。ハーバードを出たあと、あまりに多くの世界の有名な大企業からお誘いがあり、少し経験をつんでみようかと迷った時期もありましたが、幼少期から、「世のため、人のために働くこと、お金を残すより名を残せ」と教えられた事を思いだし、色んな会社の経営幹部となり、公明正大なビジョンを広めて、社会に貢献出来る会社を増やし、世界平和の実現と考えるようになったんです。また無報酬でも働きたい、海外の留学経験をシェアしたい、人々を勇気づけたいなどと思う様にもなりました。そういうマインドセットを持つようになってから、たくさんの人が私を頼ってくれるようにもなりました。もちろん私も何かあったら頼ります。だからいつもこういうふうに普通に話している中で、どんどんビジョンが共有されて、どちらからともなく何かプロジェクトが立ち上がったりするんです。

あきら そういう姿勢を貫いているジョンさんには政界・財界の重鎮、俗に言う大御所って言われる方々との繋がりがたくさんあるわけですけど、人脈について考えたとき、そういう人と知り合うために何か意識していることはありますか?

ジョン 特にないです。お会いする方の肩書きを気にしたことはありません。そういう肩書きとかを狙って近づかないっていうのが意外に近道なのかもれません。誰にでも物怖じせずに話しますから誰とでも気付けば仲良くなります。自分のペースに相手を巻き込んで話すと、大物の方とでもお話しできる共通の話題が見つかって盛り上がれることも多いです。

あきら なるほど。ジョンさんは色んな方とたくさん会っているように思うんですが、やっぱり会う数を増やすことは大事なんですか?

ジョン あんまりたくさんの人に会っている意識はないですが、そう見えるのかもしれません。そう見られる方法もたしかにあるとは思います。たとえばハーバードに行ったら一気に132人同級生を得ました。そういうある分野で一流の人が集まる場に入ることで、一流の人脈が出来ると思います。そして、彼らは自分一人じゃ何も出来ないことをよく知っているので、お互いに協力し合うという精神を持っています。だから色んな人を紹介したりされたりする生きたネットワークが形成されるので、どんどんその人脈は拡がっていきます。シリコンバレーを知りたい、イノベーションを感じたいと思ったので、今年の7月はスタンフォードにも留学致しました。やはり、素晴しい友人がたくさん出来て、凄く嬉しいです。この人達と世界をこれから良くして行けると思うとわくわくとドキドキがとまりません(笑)。

ハーバードの友人たちハーバードの友人たち

あきら 一流の人が集まる場所に自分を置くことが大事なんですね。ハーバード大学の名前が出てきましたけど、実際にハーバードで何を学びましたか。

壮大なビジョンと細やかな気遣いが一流の胸を打つ

ジョン 具体的なリーダーシップやビジネスに関することを学問的に学んだりもしますが、やはり先も言ったビジョンを持つことの重要性や助け合いの精神、あとは問題解決能力ですね。一言で言えば、「良い人になり、良い人生を過ごす」ことを学びました。

あきら ハーバードで人脈を形成する上で、意識していたことはありますか?

ジョン 私の入ったハーバードのエグゼクティブMBAは、大きな会社の幹部や社長が多いというのが特徴です。私はそのプログラムの中では最年少だったんですけど、同級生はすでに素晴らしい実績を挙げてきたばかりなので率先して話すようにしていました。最年少だからこそ積極的に話を聴くことで相手が10年、20年かけて培ってきたビジネスや人生のノウハウを学べました。プログラム中は勉強もあるのでとても忙しいですが、パーティーがあったら最後まで会場にい続けました。そうするとくだらない話や楽しい話が多くてそれはそれで楽しいんですが、折に触れて私のビジョン「Innovations for A Healthier Life」を伝えると、相手も「若いけどこいつは何か大きなことをやるかもしれないぞ」と親身になってもっとそれまでの経験をシェアしてくれます。どうやって自分のビジョンをいかに相手に伝えるかは意識していました。

あきら ぼくが見ているジョンさんって、ビジョンもそうなんですが、細やかな気遣いが多くできる人だと感じています。例えば、先輩の経営者が飲み物をほしそうにしていたら、さっと飲み物を買いにいったり、買いにいくだけじゃなく水とお茶とコーヒーを3種類用意して買ってきたり。そういうところも大先輩方に可愛がられるポイントかなと思っています。壮大なビジョンと細やかな気遣い、大きな人脈を気づくにはどちらも大事だってジョンさんを見ていて思いますね。

中村あきらと森若ジョン幸次郎

(中編につづく)

次回は、「シリコンバレーのスタンフォード大学とハーバード大学の違い」をお届けします。

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中村 あきら

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