【連載小説 #ラブじゅん】第七話 父親、妹…そうか、彼らへのこの感情が囚幸感情®︎だったんだ

parcy's小説 読めば読むほど結婚ができる 幸せな結婚には、学ぶべき順番がある第7話

【読めばparcy’sが深ワカリする仕事9割ミドル女子への恋愛&結婚応援ストーリー】

アラフォー独身こじらせ女子のタカコがparcy’sと出会って変化し、自分らしく幸せな人生を見つけるストーリー。
この小説を読んでparcy’sを知り、理解し、そしてタカコと同じように自分らしく幸せな人生への一歩を踏み出してほしい。

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第七話 父親、妹…そうか、彼らへのこの感情が囚幸感情®︎だったんだ

ラブじゅん#7 囚幸感情

久しぶりに届いたタツヤからのLINEのメッセージには、短くこう書いてあった。

「久しぶり。仕事と執筆が忙しくて。無視してるわけじゃないよ。」


 

(ん? んんっ? んーっっ?? これは、どう言うこと?)

(一体何が言いたいの? 無視してるわけじゃないって、どういうことしてるつもりなわけ?)

(どういうことしてるつもりじゃないと思ってるわけじゃないわけ…ん? っもう、わけわかんないっ!)

 


 

タカコは、トレーナーのアサクラさんにSNSで泣きついた。

「久しぶりのLINEが来たと思ったら、肩透かしっていうか、透かせる距離にもいないっていうか…。

でも、こっちから結婚の話題を出して2回目のお断りをされたら、今度こそ終わる気がするんです。

いつも忙しそうだから、会った時にいきなりシリアスな話しするのもシラけてしまいそうで、なかなかできないんです。」

アサクラさんからの返答は、明確だった。

大切なのは2つ。1つは、2人のルールをつくり話し合うこと。もう1つは、タカコさんが自分の幸せを我慢しないこと。

ラブじゅん#7 囚幸感情

2人のルールは一緒に歩んでいく上で大切なものだよ。

そしてそれが守られないなら、別れるくらい重要なんだと伝えることも忘れないで。

ルールを擦り合わせて守っていける彼であれば、仕事が忙しいというのは『結婚後も稼いでくれる彼』って言えるし、結婚後も安心して一緒に人生を歩んでいける彼ってことだよね。

 

もう1つは、彼に合わせすぎて、自分の幸せを置き去りにしてしまわないこと。

『忙しいんだろうから、連絡がなくても仕方がないんだ、耐えよう。』とか、タカコさんが我慢してはいけない。

彼の気持ちも大切にしながら、あなた自身の願いも叶えていくバランスを取ることが重要だよ。」

 

parcy’sのトレーニングでは、忙しい彼からの連絡が途絶えるのは、「穴ごもり」という男性心理である場合もあり、彼が成長するチャンスでもあるからあまりしつこく追求せず、待っている間に自分自身が幸せになれる力を上げることが大事であるとも教わった。

タカコは、アサクラさんの言葉に深く納得し、タツヤに毎日仕事終わりに短くてもいいから近況報告のLINEをしてほしいと二人の間の連絡ルールを提案した。

それから、何故だか無性に食べたくなって穴子の寿司を買って食べた。

ラブじゅん#7 囚幸感情

 

タカコ・ユウコ・アキコのグループLINE、モナリザがアイコンのチーム・ラングドンは、ユウコが不倫で悩む自分について深ぼりをしたトレーニングをグループLINEで振り返っていた。

「どうして不倫がやめられないんだろうって自己嫌悪していたけど。不倫で2番目の女としてしか、自分には価値がないって思っていたと気づいたときは頭殴られたみたいな衝撃だったな…。」

「『幸せになりたい!愛されたい!私を一番にして』って思うのも本心なんだけど、『私には無理だからせめて…』ってすがるような思いがあったんだなって。

『よかった、選ばれた』という安心感と、『それでも私は1番じゃない』っていう悲しさがいつも共存していて、本心では苦しかったの。
自分がみじめで、苦しいなんて認められなかったけどね。

本当にparcy’sがあってよかったと感じたよ。
自分の本心を無視せずに『このままでは嫌だ』って思いに向き合えたから。」

ラブじゅん#7 囚幸感情

parcy’sのワークでは、父親との関係性が、『人格形成』と『男性の見本』のイメージに強く影響していると学んだ。

そしてユウコは、いい娘である自分しか認めない厳格な父親を、男性の見本にしてしまっていて、自分を認めてくれない男性を無意識に探している、その男性の目に留まりたいと思っていいたという気づきがあったのだ。

「上手くいかない自分やダメな自分を否定して責めてきたし、そんな自分を愛してくれる人なんていない、結婚なんてしても上手くいくはずがないって思ってたんだよね。」

タカコは、刺身が「うん、うん」と強く頷いているスタンプを送りながら、カンザキさんからのセリフを再現した。

 

「『ユウコさん。ユウコさんは、ありのままのユウコさんを深く愛してくれる男性に出会って幸せな結婚ができるんです。

それを、どうして諦めてるの? あなたの目の前にいる男性は、お父さんじゃない。お父さんとの関係で生まれた囚幸感情®(しゅうこうかんじょう) が、男性と幸せになれるあなたの邪魔しているんじゃないかしら。

あなたは、愛される人なの。そして幸せな結婚ができるの。そのことをしっかり受け止め切ってくださいね。』」

 

囚幸感情®(しゅうこうかんじょう) とは、こじらせた思考のクセで、幸せからの逃げ癖になったり、望む方向へ進もうとしても進めないようにブレーキをかけて、自己否定的な思考ループに自分を閉じ込めてしまったりすると言うことだった。

カンザキさんがトレーニングで発した言葉を改めて見返したチーム・ラングドンの仲間たちは、感動の涙を流すモナリザのスタンプ、拍手をする刺身のスタンプを送り合っていた。

 

「思い切ってお父さんと話したら、お母さんと結婚した時は、誰も応援してくれなくて、二人だけの結婚式だったんだって。

『そんな中でユウコを授かって、嬉しかったけどすごく怖かった。』って言ってた。

 

なんか大人になって一人の人間として父親の話を聞いて、私は今まで子どもとしての視点でしか父親と話したことがなかったって気づいたの。

だから「親のくせに」「父親のくせに」って思ってたけど、私は子どもなだけだったんだよね。」

ユウコは、子どもとしてではなく、一人の人間として父親と話せたことで、父親は自分を深く愛してくれていたんだと気づいたと言っていた。

ラブじゅん#7 囚幸感情

父親も一人の人間として男性として、両親に反対されながら必死に親になり、娘を愛し育て上げることに精一杯だったんだと感じたそうだ。

「父親の厳しさ、父親から認められない寂しさを付き合う男性に映し出してきたんだけど、
私は本当に愛されて大切にされているとわかったのがよかった。

それに、父さんのように、家族をもつことに覚悟を持ってくれる男性と関係を深めたいし、そんな人を私も愛したいなって思うんだ」

感動して号泣する刺身、拍手喝采する海老などのスタンプが飛び交いながら、その夜、タカコ、ユウコ、アキコのチーム・ラングドンのグループLINEのやり取りは明け方まで続いた。


 

タカコが「仕事終わりに近況報告のLINEをしてほしい」とルール化を提案した後から、タツヤからはきちんと連絡が来るようになった。

「仕事終わり。これから執筆、だけど気乗りしなくて困ってる。」

「今日は接待で飲み。早く帰りたいな〜。」

など、短いながら自分の近況を知らせてくれるようになった。

以前なら、タツヤの希望をそれとなく汲み取りデートのセッティングもタカコがすることが多かったが、「今度のデートはイタリアンがいいな。」などと、タカコが直接自分の希望を伝えられるようになってきたことで、タツヤが「いいね!」と言ってお店を選んでくれることも増えた。

ラブじゅん#7 囚幸感情

parcy’sを始めてから、タカコは自分がどう思っているのかを少しずつ意識するようになっていた。以前は他人がどう思うのか、どんな反応をするのかを気にしてばかりいたが、自分の意見を感じられるようになってきていた。

 


 

(なんか、私変わってきて…る?)

(parcy’sとチーム・サシミ、それからチーム・ラングドンのみんなのお蔭かな。自分のキーバリューズ(価値軸)がわかってきたような気がする。)

(この調子で、タツヤと結婚に近づけるかな。今度こそ、左手に指輪はめられちゃうのかな。)

タカコは、左手の薬指を眺めながらノリノリで二匹のてんとう虫がサンバで踊っているイメージを思い浮かべていたが、厳密に言うとそれはルンバであった。

 


 

仕事終わりに、タカコはお気に入りのカフェ、アティックに寄った。

坂本龍馬のラテアートを頼んで、妹・ナミへの感情と男性への嫌悪感を指摘されたトレーニングの振り返りをしていた。


参照元:http://attic-coffee.com/ryoma

妹のナミは、タカコとは対照的で、要領がよく可愛いがられるタイプだ。人に甘えるのも人を頼るのも上手く、両親やタカコにもいつも甘えて何かを頼むことにも長けている。一方タカコは、両親に仕送りをし実家にも顔を出すようにしていた。それをしないといけない気がしていたし、長女である自分の義務のように感じていたからだった。

「妹はなんであんな自由なの? 何をやっても許されるし、結局ナミの方が愛される。
私はもっと頑張らなければいけない。自分は尽くして頑張って、やっと愛されるのに。」

トレーニングで行った、セクシャリティ、女性生の否定のワークの際に、タカコは自分のナミへの気持ちを深ぼりした。

その感情を聴いていたカンザキさんが言った。

カンザキさんが指摘したのは、妹の要領のよさや自由な生き方への嫉妬心だった。

「あなたは妹との経験を通じて女性性を否定してるのね。妹ばっかり愛される、妹への心の中の憎しみみたいなものがある。
でもね、嫉妬するってことは、妹さんが手に入れているものをタカコさんも本当は欲していて、手に入らないと思っているからよ。

そして、手に入らないことや、諦めてしまっている自分に怒っているってこと。」

カンザキさんは、生まれ順などの役割論による囚幸感情®(しゅうこうかんじょう) について教えてくれた。長女とはこうあるべき、女性だからこうしなくてはいけない、という考え方を押し付けられることで、本当の自分は何を欲しているのか、どうしたいのかがわからなくなってしまうと言うことだった。

「長女であるから、女性であるからって、タカコさんがどうあるべきで、何かをしなくてはならないなんて理由はどこにもないはずなの。
ただ、タカコさんは『長女である自分がしっかりしなきゃ』『女性であるからこうならなきゃ』って1人で背負い込んできたんじゃないかしら。

上手くいかない環境にいるのなら、何かを変えてみましょうよ。

長女である自分や、女性だからこうあるべきって思い込んできた自分から距離をおいてみない? 本当にしたいこと、選びたいもの、優先したいものは何かを考えてみるいい時間になるはずよ。」

カンザキさんからの温かい言葉をもらい、タカコは目の前の雲が晴れたようだった。

「長女であるタカコ、こうあるべきなタカコから距離を置いても、いいんだ。」

タカコは、呟いた。


 

(女性性の否定って役割に縛られるってことでもあるのね。確かに女性だから、長女だからって思い込んできた部分はあるな。経済力への思い込みについても指摘されたっけ。タツヤより私の方が収入が多いけど、それを感じさせちゃうと悪いなとも思ってたし。)

(タツヤよりも収入が多いことに罪悪感を感じていたのかも。)

(タツヤの方が経済力はないけど、男だから彼を立てるべきと思い込んで苦しんでいたのかもな。)

 


 

仕事にも打ち込みながら、そろそろ結婚がしたいタカコと、夢を追いかけてまだ様々なことに自由に挑戦していたいタツヤ。

以前より頻繁に連絡をくれ、具体的なタカコの要望にも応えてくれるようになってきたタツヤ。タカコから感じている愛情を言葉にして伝えてほしいとお願いしてから、「愛してる。」「そういう所が好きだよ。」などと、タカコに素直に伝えてくれるようになった。

でも、結婚や将来の話をチラつかせると、はぐらかすようなタツヤの発言が気になっていた。

「あー、うん。」「いつかは、ね。」など、同棲の話や両親を会わせる話をそれとなくし出すと、曖昧な返事しか返ってこなくなり、少し不機嫌になるのだった。

ラブじゅん#7 囚幸感情相談したトレーナーのアサクラさんに言われて、タカコはノートにタツヤとの関係を本当はどうしたいのか書き出してみた。

「彼に変わってほしい、彼に関係を進めてほしいと思うかもしれないけど、男性の本音は、行動に現れる。あなたと深い関係を築ける人は、あなたと深く向き合ってくれる人だからね。

彼に対する自分自身の気持ちをノートに書いてみてほしいんだ。

『何に対して不安に感じているのか?』

『本当の本当の本当はどうしたいのか?』

まず、自分の本当の本音を知ることがとても大切なんだよ。その自分の本音を軸に彼と向き合うこと、話し合っていくことを進めよう。」

 


 

(前は、仕事もしながら本当にやりたいことを追いかけてる、一生懸命なタツヤがカッコよかったし、好きだと感じてた。)

(連絡はくれるようになったし、好きな気持ちも言葉で伝えてくれるようになった。でも、年齢的にもキャリア的にも結婚したいって願う私の考えとは向き合ってくれてない感じがする。)

(タツヤはそれでもいいかもしれないけど、じゃあ私は? サシミちゃんが、干物ちゃんになってミイラ化しちゃうんですけど。)

 


 

ゾンビになったり、ミイラになったり、相変わらずタカコは脳内で七変化を繰り広げて忙しかった。

自分が何を大事にしたいかが段々とわかってきたタカコの中で、タツヤと結婚したいと思っていた心境に変化が現れてきていたのだった。

タツヤへの想いを書き出していたノートは、いつの間にかツタンカーメンのイラストで埋まっていた。

 


 

ある日、タカコは、とある場所に到着した。

「このピラミッドだ、来たかったんだよね。」

タツヤとの将来に悩むタカコが向かったのは…。

(続く)
※本作品はフィクションです。トレーニングの形式、参加者の様子など実際の内容とは異なる描写などが含まれております。あらかじめご理解、ご容赦ください。

 

【この話に出てきたパーシーズ理論】

・「穴ごもり」
男性が「穴ごもり」に入ることは、仕事に対して真摯に向き合って頑張っている証拠だ。だから、彼に手を貸してあげようとするのではなく、「彼なら一人で問題を解決できる」と信じて見守ってあげよう。

そして、何より大切なのは、彼の「穴ごもり」期間に不安になるのではなく、自分自身を満たす時間に使うこと。

以前の記事【マンガでわかる男性心理】多忙な男性からの連絡が急に途絶える「穴ごもり」の正体とは?で解説しているからぜひ読んでみてほしい。

囚幸感情®(しゅうこうかんじょう)
囚幸感情®とは、こじらせた思考のクセで、幸せからの逃げ癖になったり、望む方向へ進もうとしても進めないようにブレーキをかけて、自己否定的な思考ループにあなたを閉じ込めてしまったりする。

例えば、恋愛が怖いと心のどこかで思っていたら、踏み出せないし、どうせ自分は失敗すると思ってしまうことになる。だけど、これが自分自身が恋愛に対して「快」の連想やポジティブな連想が湧くことができれば、恋愛に対してどんどん踏み込んでいくことになる。

これについては、今注目の記事【parcy’sモデル図解】幸せな恋愛・結婚、男性と深くつながる関係を止めてしまう囚幸感情®(しゅうこうかんじょう)5パターンと自己チェックリストでしっかりと解説しているのでぜひ見てみよう。

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小説家を目指す多忙な会社員・タツヤと真剣交際を1年続けている主人公タカコ。トレーニングを重ねるにつれ、ユウコは父親との関係、タカコは妹であるナミとの関係にこじらせの原因があると深ぼりしていた。タカコは、そんなワークの一環として自分と恋人である・タツヤとの関係についても考え直していた。そこでタカコが取った行動とは…二人の恋愛の行方も気になる第七話。

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