沖縄で株式会社レキサスさん主催クラウドカンファレンス with AWSにて、講演してきた。
テーマは「クラウドで実現したワークスタイル革命」だ。
きっかけはレキサスの情熱家でもありエバンジェリストの常盤木さんから以下のメッセージをもらったことだ。
以下、レキサスの常盤木さんより
中村さん、常盤木と申します。
クラウドを使って場所に縛られない働き方をされている中村さん自身やジパングの紹介、世界の先進企業を巡って感じる日本との違い等を中心に話して頂ければと。
無茶ぶりで恐縮ですが、沖縄の膠着化したIT界隈(提供者側の人月・ハコモノ思考、ADすら導入しているところが少ないユーザーの意識含め)を奮い立たせる為、お力お貸しくださいませm(_ _)m
すごい気合の入ったお願いをされてしまった。
こう期待されると応えないわけにはいかない!全力をつくすぜ!
ぼくにとっては、初めてのエンジニアさんやシステム会社さんに向けた講演だ。
なんと80名以上の人が参加してくれた!
ではいってみよう!
目次
クラウドに関わるプロフェッショナルが集まった!
今回のカンファレンスの正式名称は、敵か?味方か?クラウドは沖縄に何をもたらすのか? レキサスクラウドカンファレンス with AWS 〜勝ち残る企業を支えるITについて考える〜だった。
クラウドやAWSサービス(アマゾンクラウドサーバー)に関連したプロフェッショナルが登壇して、クラウドについて語る。
今回一緒に登壇したプロフェッショナルのみなさまだ。
詳しいプロフィールは、今回のカンファレンス紹介サイトをみてほしい。
この中でもぼくは、実際にクラウドやAWSサービスを使ってワークスタイルを変えた立場として、クラウド・AWSのメリットを語った。
なぜクラウドだったのか?
元々クラウドサーバーにしたのは、ZIPNAGs(ジパング).comのサイトのアクセスが増大して、サイトの負荷が大きくなったのが原因だった。
このままではサイトの表示速度が遅くなって、お客さんが不便になる。
ぼくたちは、レンタルサーバーではなくて上位のサーバーを探した。
上位のサーバーには、専有サーバーとクラウドサーバーがあった。
出典: www.hitachi-solutions.co.jp
自社サーバーは大きな量のサーバーを借りるのに対して、クラウドサーバーは必要な分だけ借りれるというメリットがあった。自社サーバーが不動産を購入することに似ているとしたら、クラウドサーバーはホテルを借りて泊まるようなものだった。
つまり、すごく合理的だったのだ。
だからぼくたちはクラウドサーバーにした。
クラウドとは何かって言うと、「必要なとき」に、「必要なもの」を、「必要なだけ」借りて使う。それがクラウドだ。
いまの時代は「所有」するのではなくて、必要なぶんだけ「利用」する時代になっているのだ。
クラウドサーバーにしたら、サイト表示スピードがあがってお客さんのサイトに対するストレスも減って売上UPにつながった。
なぜAWSサーバーにしたのか?
実は最初は、AWS(アマゾンクラウド)サーバーではなく、IBMクラウドサーバーにした。
しかしIBMクラウドが突然サービス終了してしまった。
そのとき、新しいサーバーにするのとそのシステム業者を探すのにとても苦労した。
その経験から、サーバーに限らすシステム関係は一番有名なサービスを選ぶことにした。
一番有名なサービスを選ぶメリット以下の通りだ。
①カスタマイズできる人が多い
一番有名なシステムは、カスタマイズできる人が多い。例えば、アップル製品は海外で壊れてもほぼどこでも修理することができる。それと同じで場所が自由な働き方は、その場その場で緊急対応してもらえる可能性が高い。
②見積もりが多く集まりやすく、適切な外注先の選択がしやすい
マニアックなサービスは、対応できる業者も少ない。それだと見積もりが集まらないことが多い。
それだと相場感も把握するこができず、適正価格で頼めたのか、ちゃんとした会社に頼めたのかも分からない。
見積もりの集め方はこちらの記事を参考にしてほしい。
③突然サービスを終了したりしない
これは笑っちゃうかもしれないが、IT業界は結構あることなんだ。
自分の会社の意志とは無関係にサービスが終了したりするととてもストレスがかかる。余計な仕事が増えるし、また決断をやり直さなきゃいけない。
すごく無駄な作業だ。
ちなみに沖縄のレキサスさんをサーバー保守・運営の会社に選んだのは、色んな見積もりを取った中で一番話が分かる存在だったからだ。古い価値観にこだわっていなくて、とても安心してお任せできた。
クラウド化することで得たもの
ぼくたちの会社は、クラウドサーバーにしたのをきっかけにほぼすべての業務をクラウド化した。
契約書や請求書なども全てドロップボックスにあげて税理士さんなどはいつでも好きな時に確認することができる。
仕事もwordやexcelはGoogle Docsで管理して、チャットーワークで離れた場所同士で仕事をしている。
クラウド化することで得たものは以下のとおりだ。
自分が住んでる、会社の本社がある場所に限らず「良いパートナー会社」を探すことができる。
ぼくたちは、離れた場所でも仕事ができるようになったことで日本全国から外注先を見つけることができた。
例えば東京は、税理士さんや弁護士さんなど士業さんの数が多くてクオリティが高い。だから士業さんを探すときは東京、単純作業は中国の会社へという風に分けることができるようになったのだ。
特定の場所にいる必要がなくなった
現在、沖縄に本社がありシリコンバレーや東京に住んでいる。
今自分に必要なものは何かを考え、それが得られる場所にその都度オフィスを構えられるようになったのだ。
生活もクラウド化した
DVDやCDをレンタルしてくるのではなく、HuluやNetflixで必要なときに視聴することができる。
日本にいてもアメリカにいても同じ環境で生活することができるようになったのだ。
その中でも一番は、クラウド化することで経営者としての見える視点がより大きくなったことだ。
沖縄の会社ではなく、日本中のパートナーを探せる日本の会社。
日本の会社ではなく、シリコンバレーに住んで世界の視点をもてる世界の会社。
それがクラウド化することで得た一番のギフトだ。
クラウド化の流れで、これからの日本で変わるであろうサービス
ぼくは世界中の様々な企業を訪問し、様々なセミナーに参加してきた。
その中で見たこれから日本で変わるであろうサービスを紹介していきたい。
クラウド環境による移動サービス UBER
まずは有名なUBERだ。
日本でも首都圏で浸透しつつある。これはまさにクラウド時代のサービスの象徴だ。
車を所有するのではなく、必要なときに必要なだけ利用する。
例えば沖縄では、車の代行サービスなどがあるが、あれはUBERだったもっと便利になるのにって思う。
ぜひ沖縄でも流行ってくれることを願ってる。
クラウド環境による教育サービス Bloc
マンツーマンオンラインプロフラム指導サービス「Bloc」というサービスがある。
マンツーマンでプロのプログラマからテレビ会議で学ぶことができる。
これはプログラマだが、これからはどんどん料理人や美容師さんなども学校にいくのではなくテレビ会議でプロから直接学ぶ時代になってくるはずだ。
これからの教育は、「必要なとき」に、「必要なこと」を、「必要なだけ」学ぶようになっていくはずだ。
クラウド環境による人材サービス Zirtual
オンラインアシスタント・秘書サービス「Zirtual」だ。
クライアントとのアポイント調整、スケジューリング、出張の航空チケット手配まで高品質なサービスをしてくれる。
これは秘書サービスだが、今後はどんどん専門家がオンラインで頼めるようになっていくはずだ。
これからの仕事は、「必要なとき」に、「必要な分」だけ、「必要な人」に頼む。
そんな時代がすぐ来るはずだ。
日本の働き方はどう変わっていくのか?
クラウド化によって日本はどういう風に変わっていくのだろうか。
・地方に居を構える人や育児中の人に仕事を作り出すことができる。
・専門家の活躍の場を生み出し、これまで高いお金を支払わなくてはならなかったサービスを安価で享受可能になる。
・多くの人が自分の住みたい場所に住める。
・働く場所を自由にできる
ぼくはクラウド化によって、こういう風に今より良くなる未来を信じている。
クラウド化の先にあるもの
クラウド化の先には何が待っているのだろうか?
世界「大移民」時代へ
今でも移動コストの低減やクラウドの普及によって人は場所の自由を享受する人が増えてきた。
それによって多くの移民が生まれている。
国際移民の図
現在世界には 2億3千2百万人の国際移民がいる。海外送金はフランスのGDPを上回っていて、国際移民は一つの国以上の経済と人口を持つようになっている。
将来的には、日本のGDPを国際移民が超えることになるはずだ。
沖縄でも東京でも外国人の数が昔と比べて圧倒的に増えたと感じるはずだ。
しかしそれは海外でも同じだ。アメリカでもシンガポールでも昔よりも日本人の数は増えている。
そういった中で、ぼくたちは自分の国の中でも、日本人にサービスをするだけじゃなくて
移民のひとにもサービスを考える必要が出てくるはずだ。
中央集権型から分散型のサービスへ
クラウド化によってお金の流通の低価格化というニーズが生まれた。
それででできたのがビットコインだ。
ビットコインの成功によって、世界中が大きなインスピレーションを得た。
(日本ではまだ普及してないが、アメリカでは何百人もの成功者を出すぐらいになっている)
ビットコインはいわば、それまでお金は日本銀行のような中央集権が管理していた。しかし、ビットコインはそれをなくし個々のPCによって管理してそれがセキュリティになることを証明した。
政府機関を通さずお金を流通
世界中のエンジニアたちは、その原理がお金だけではなく、他のすべてのサービスに応用できないかと考えたのだ。
ビットコインの元の技術はブロックチェーンと呼ばれるものだが、その技術をつかって分散型ストレージサービスや分散型メッセンジャー、分散型クラウドファンディングのサービスが次々と生まれている。
分散型ネットワークへ
出典: www.coinpass.jp
その中でも注目しているのが、分散型インターネットだ。
MaidSafeは、各個人からP2P方式でHDDスペース・演算能力(CPU)・メモリ・帯域等を提供しあい分散的なインターネットを実現するプラットフォームだ。
これで何が変わるかって言うと、現在のインターネットはサーバーを中心とした中央政権になっている。分散型インターネットはブロックチェーンの技術を使い、個々のPC領域をつかいインターネットを実現するのだ。
データセンターなし、サーバーなし、DNSなし、金銭コストなし、管理者が必要ない。
これはサーバー会社さんのカンファレンスで言うのはどうかって思うけど、将来的にはサーバー会社はなくなってしまうかもしれないね。
最後に、未来を見通して変化に柔軟な強い会社に
最後に、Google創業者ラリーペイジの言葉を紹介したい。
「たくさんの会社を見てきて、なぜ長続きしないかを考えてきました。
多くの会社が現れては消えていきました。彼らは何を間違ったのだろう?と。
共通して犯した間違いは、多くの場合「未来」を見通してなかったことに尽きます。
未来がどういうものになるのか、どうやって私たちはそれを創造できるか
そして自分の会社をどうその未来に集中させられるか。
だから私は、未来がどうなるかに集中しているんです。」
今日のぼくの講演は、沖縄のみなさんにとって耳が痛かったかもしれない。
でも好むと好まざるに関わらず、時代は変わっていく。
だったら、一緒に未来を見て、変化に対応して、強い会社を目指していこう。
一緒に未来がどうなるかに集中しよう!
本日はありがとうございました。
今回のカンファレンスのテーマで、クラウドは敵か?味方か?とあった。
ぼくにとってももちろん味方だ。
ぼくたちの会社は東京で3.11東日本大震災を経験した。
そのときに一つの場所で何かを築き上げることに大きなリスクを感じた。
IT関係者にとってサーバーは命だ。
その命が津波で壊れたらどうするのだろう。
サーバーが吹っ飛んだら、全てデータが消えてその日から仕事ができなくなってしまう。
日本はただでさえ震災リスクが高い。
クラウドサーバーは、ボタン一つでサーバーの場所を変えることができる。
ぼくたちの大事なものを守ってくれるもの、それがクラウド。
ぼくはそう思っている。
レキサス様、今回は貴重な機会をいただきありがとうございました!
以下、レキサスの常盤木さんからの感想です!
正直、想像の斜め上をいく素晴らしい登壇内容で、クラウドの本質を理解した働き方&利活用事例に、色々と衝撃を受けました。
柔らかい物腰なのにドメスティックで突き刺さる的を得た発言。
こんな素敵なお客様にレキサスクラウド、AWSを利活用いただいている私たちは幸せものです。
ご登壇、ありがとうございました!
沖縄クラウドカンファレンス参加者の声
沖縄クラウドカンファレンスに参加していただいた参加者の方から感想をいただきました。
こちらもどうぞ
他の登壇者の方々のお話は主催のレキサスさんがまとめてくれました。
こちらで見れます。
→【外部サイト】8月21日(金)「敵か?味方か?クラウドは沖縄に何をもたらすのか? レキサスクラウドカンファレンス with AWS」開催レポート
このカンファレンスをきっかけに沖縄タイムスでインタビューされました。
→沖縄タイムス「明言深聞」で中村あきらを紹介していただきました!
日本中・世界中どこでも話に行きます♪
今回は沖縄でしたが、ご連絡をもらえれば世界中どこへでも話に行きます。
ぼくは10人以上集まれば、世界中どこへでも行きます。
そしてご当地のおいしいお店を紹介していただければ大満足です(^^)
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