Impact Investing(インパクト投資)とは、社会に影響を与える企業に着目し、教育や福祉などの社会的な課題の解決を図ると共に、経済的な利益を追求する新しい投資の考え方である。
一般的な社会的責任投資とインパクト投資を比べると、前者においてはネガティブクリーニングにより投資銘柄の選定が行われる事が多いが、後者では銘柄排除の意味に留まらない。
つまり、特定の社会的課題を目指す企業に投資しながら、投資収益性の高いポートフォリオの構築を目指す点が異なる。
インパクト投資は寄付や慈善事業とは異なり、あくまでも投資となる。
付加価値として社会的問題の解決を図り、社会的影響を与えつつ金銭的リターンを獲得するものである。
このようにインパクト投資の分野は、教育分野や福祉といったビジネス分野でも主要なテーマとなっているため、最近のシリコンバレー企業が社会的インパクトに対して目を向け始めている傾向にある。
インパクト投資の背景
インパクト投資の規模や有効性については、2007年に米国で設立された非営利団体によって定義されている。
その内容は金銭的リターンと同時に、社会的、環境的な影響を生み出す事を意図して、企業、組織、ファンドに対して行われる投資とうたっている。
英国では、貧困層支援などの社会福祉事業をいかに効率よく実施出来るかという問題に対して、政府が積極的にインパクト投資を推進している。
日本においても、複雑化する社会課題への対応や財政改革は重要課題として挙げられている。
そのため、インパクト投資を活用したより効果が高く、より効率の良い公共サービスが期待されている。