【2021年最新版】静かに復活!再上昇するウェブサイト売買(M&A)市場規模

2020年サイト売買は、リーマンショック以前の件数に盛り返しており、さらに少額の売買が盛んに!

ぼくは2016年、立ち上げから携わり、6年にわたって運営し続けた家具通販ウェブサイト「ジパング・ドットコム」にかかわる事業をバイアウト(売却)した。

その経験から自身でも、複数のサイト売買を経験して、バイアウト・サイト買収コンサルティングとして
サイトの買い手と売り手に対してサイト売買のアドバイスを行なっている。

また、バイアウトコンサルティングをやっていることから、様々なM&A仲介会社、M&A専門士業(公認会計士、弁護士)、M&Aアドバイザーと繋がりがある。

そういった業界の中でしか分からない動向と、経済研究所が発表したデータから2018年のサイト売買市場の動向について解説する。

日本のウェブサイト売買(M&A)の歴史

そもそもいつごろからサイト売買は行われるようになったのだろう。ウェブサイト売買(M&A)の主な事例を以下の通りまとめてみた。

2000年10月 ツボックスからサイバーエージェントが懸賞情報検索サイト「懸賞のつぼ」を買収

2003年09月 楽天がマイトリップ・ネットの旅行予約サイト「旅の窓口(現:楽天トラベル)」を買収

2004年05月 楽天が就職口コミサイト「みんなの就職活動日記」を買収

2005年01月 フォートラベルからカカクコムが旅行口コミサイト「旅行のクチコミサイト」を買収

2005年01月 カヤックからライブドアがTシャツショッピングサイト「T-seiect」を買収

2006年10月 アメリカGoogleが動画共有サイト「You Tube」を買収

2007年06月 カヤックからカウネットが総務コミュニティーサイト「総務の森」を買収

このうち当時から話題を集めたのが、サイバーエージェントが「懸賞のつぼ」を買収した例や、楽天が「旅の窓口(現:楽天トラベル)」を買収した例だ。

また、買収ではないが、2003年、日本政策投資銀行が初めてポータルサイトを担保として融資を実行し、話題になった。

その後2007年には、同じく日本政策投資銀行、その他6行がウェブサイトを担保に総額30億円の協調融資を行ったことで、ウェブサイトが資産になるということが広く認識されるようになるとともにウェブサイト売買(M&A)仲介会社が一気に増加した。

ウェブサイト売買(M&A)が一般的なM&Aの手法として知られるようになった反面、正しい査定基準が十分に確立されていないなど、同市場には課題も多く残されている。

これをふまえ、現在では、サイト市場の環境整備や育成を目指す動きがあり、日本サイト売買協会や、WebサイトM&Aビジネス協会などの団体の設立や、コンサルタントの養成講座、サイト売買セミナーなどが定期的に開催されはじめている。

2017年のウェブサイト売買(M&A)市場規模

ウェブサイト売買(M&A)市場は2000年代後半ごろから活発化した。
2009年1月に矢野経済研究所によって発表された国内のサイト売買市場規模についての調査結果では2007年度の成約件数が270件、売買金額は13億だったのに対し、2008年度の成約件数と売買金額は500件、23億円だった。

2017年のウェブサイト売買(M&A)市場規模

2008年までのウェブサイト売買(M&A)の市場規模の推移
出展:2008年版 サイト売買市場白書(矢野経済研究所)http://www.yano.co.jp/market_reports/C50202700

1年のうちに成約件数を約85%、売買金額を約77%伸ばしたというのは驚異的な数字だ。
当時の2010年度の市場予想では、成約件数が1,500件、売買金額は85億円規模になるといわれていたが、実際にはリーマンショックの影響により、サイト売買を含めたM&A市場は大きな打撃を受けた。

M&A市場全体で見てみると2000年代後半からのM&Aの件数の推移は、2006年にピークを迎え、リーマンショックにより下降傾向だったが、再び盛り上がりを見せており、2011年から年々増加している。

2017年のウェブサイト売買(M&A)市場規模2

日本のM&A市場全体のM&A件数の推移
出展:M&Aデータ「MARR Online」 https://www.marr.jp/mainfo/graph/

2017年には全盛期の2005~2007年の件数に追いつく勢いだ。しかしその一方で、売買金額は件数に比例しているとはいえず、むしろ下がっている。ここ数年の買い付け金額は全盛期の20%以下というとても低い額だ。

2017年のウェブサイト売買(M&A)市場規模3

日本のM&A全体のM&A金額の推移
出展:M&Aデータ「MARR Online」 https://www.marr.jp/mainfo/graph/

ここから、少額でのM&Aが主流になり、サイト売買をはじめとした事業譲渡が活発になっていることが読み取れる。

2017年のウェブサイト売買(M&A)市場規模4

世界のM&A件数と総額

エコノミストニューヨーク支局のチーフであるパトリック・フォーリス氏によるとアメリカのM&A市場には波があり、2012年から来ていた第7の波は2017年、いったん落ち着くだろうと予想している。次に来る第8の波は東京オリンピックが開催される2020年だという。

2017年のウェブサイト売買(M&A)市場規模5

2016年11月、日本ではインターネット事業会社大手のGMOインターネット株式会社がサイト売買仲介サービスを2016年11月にリリースした。もともとサイトM&Aに関わるウェブサイトを運営していた同社だが、このサービスでは売却規模を1万円~100万円までの中小規模のウェブサイトの売買を対象にしている。

日本ではM&A市場は全盛期の2006年を彷彿とさせるような盛り上がりを見せているものの、売買単価は下降傾向にある。この背景に会社を丸ごと買収するよりも圧倒的に売買単価が安価なサイト売買の活発化があることは大いに考えられることだろう。アメリカのM&A市場の落ち着きが日本に伝わるのは数年後になると思われるので、2017年、日本では中小企業にとってサイト売買がより身近な存在になる1年となるだろう。

サイト売買は相変わらず売り手市場

アフィリエイトサイトなど、個人でも手軽にウェブページを運営できるようになり、そのサイトを売り買いすることが一般的になったのは2000年代後半のこと。この頃からサイト売買市場において一貫して変わらないのは売り手市場であるということだ。

ぼくが行っているバイアウトコンサルティングや高品質サイト売買査定などで、数十社のサイト仲介会社やM&A専門士業(公認会計士・弁護士)さんの話を聞くと、買い手側の数が7割、売り手側の数が3割といった状況だ。

たとえばあなたがすでに複数のサイトを運営しているとしよう。そのサイトで得られる報酬の2年分に満たない額でサイト売買ができると知ったら、抱えているサイトのうち、1つは売ってもいいかなと思うだろう。M&Aといわれると大企業だけができるもののように感じてしまうが、今やM&Aは、中小企業はもちろん、個人事業主にだってできることだ。

売り手が増えるとともにそれ以上のスピードで買収希望者が増えている。サイト売買の取引の場を提供しているサイト売買仲介会社でも、圧倒的に多いのは買収を希望するユーザーだ。ぼくもサイト売買にかかわるさまざまな相談を受けているが、売り手よりも買い手からの相談が多いのを肌で感じている。

しかし、ここで自分の持っているウェブサイトがすぐに売れるとぬか喜びしてはいけない。
売り手市場といわれるサイト売買市場は、確かに数値だけ見れば買収希望者が売却希望者を上回っているものの、購入希望者が本当に欲しいと思えるウェブサイトが少なく、市場に買い手のつかないウェブサイトがあふれているという現実がある。

市場が活発になっているからこそ、しっかりとした仲介会社を挟めて取引を進めていく必要がある。

サイト売買のコンサルティングはこちら

サイト売買は今後、M&Aの新たなトレンドになるだろう。サイト売買市場は売り手市場といわれているが、どのようなウェブサイトでも難なく売れるというのは大きな間違いだ。また、買収側もただ単に何を買ってもメリットがあるというわけではないから、専門家に頼むにしても、自分で行うにしても、しっかりと調査したうえで買収することが大切だ。

バイアウトM&A事業診断・査定サービス

しかし一方で事業診断や査定サービスが充実していないというのも事実。これはぼく自身、事業を売却した時に強く感じたことだ。サイト売買が一般的になったことで一気にサイト売買仲介会社が増えたが、実際にサイト売買の経験があるなど、しっかりとした実績がある会社ばかりとも限らないので注意が必要だ。

また、査定額にも大きな開きがあるので、しっかりと精査してできるだけよい条件で取引を成功させよう。
ぼくが立ち上げた査定サービスは経験に基づき安価かつスピーディーに正確な診断を行う。

もちろん、公認会計士や会計事務所、弁護士や法律事務所をぼくからご紹介することもできるので、まずは気軽に相談してほしい。



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