リンカーンのあげまん妻・メアリーが行った夫を大統領にするたった一つの方法

リンカーンのあげまん妻・メアリーが行った夫を大統領にするたった一つの方法

もっとも偉大な大統領として、現代でも名前が挙がるのが第16代大統領、エイブラハム・リンカーン。
しかし、彼を支えた妻メアリー・トッド・リンカーンのあげまんエピソードについてはあまり知られていないので、ここで紹介しよう。

メアリーが支えたリンカーン大統領ってどんな人?

エイブラハム・リンカーン


出典:y-history.net

エイブラハム・リンカーンは1809年、ケンタッキーの貧しい農民の息子として生まれた。両親には息子に満足な教育を施すだけの余裕はなく、彼は独学で勉強を続けた。そして、20代にしてイリノイ州議員となり、政界に進出したのだった。

また、リンカーンは弁護士としても知られている。政治家として活躍する一方、弁護士としても市民の力となっていった。

そんなリンカーンが大統領に就任したのは1861年のことだ。当時、アメリカがどんな状態だったかというと、南部では黒人を奴隷として酷使し、北部から強い批判を受けていた。奴隷制度に反対するリンカーンが大統領になったことで、南部は合衆国連邦から脱退する意思を表明してしまう。そして勃発したのが有名な南北戦争だ。戦争中、リンカーンが掲げた奴隷解放宣言と、ゲティスバーグでの勝利後に行った「人民の、人民による、人民のための政治」という演説は今でも世界史に刻まれている。

南部に勝利した終戦後もリンカーンは、国会で奴隷制度の廃止を可決させるために奮闘した。リンカーンがいなければ黒人はその後何年も奴隷として苦しみ続けていただろう。自由と民主主義のために戦い続けたリンカーンは南北戦争終結の翌月に暗殺されてしまうのだが、その功績はあまりにも偉大である。

リンカーンとメアリーが結婚するまでのドラマとは?

政治に関しては豪腕を振るったリンカーンだったが、恋愛に関しては奥手だった。リンカーンの初恋はかなり遅く、1834年、衆議院時代に知り合った女性が相手だった。しかし、彼女は当時流行していたチフスにかかり、死別してしまう。

最愛の人との死別がリンカーンをより慎重にさせてしまった。その後、リンカーンは別の女性と結婚を前提に交際しているが、一方的に婚約破棄してしまう。そして、生涯の伴侶となるメアリーと出会ったのは1839年、婚約したのは翌年だった。政治家は世間体を気にして結婚を早く行う傾向がある。30歳を越えての婚約は遅いくらいだが、驚くべきことにリンカーンはまたしても婚約破棄をしてしまった。

ただし、もっと驚くのはメアリーだ。後にリンカーンと社交パーティーで再会したことをきっかけにアプローチし直し、見事1842年にゴールインする。ちなみに、当時のリンカーンは「地獄に向かっている」と友人にもらしていたらしく、メアリーが強烈な性格だったということが分かる。

しかし、リンカーンはメアリーとの結婚を機に下院議員へと当選し、国政の重要な部分に参加するようになる。性格はともかくとして、メアリーが「あげまん」だったのは間違いない。

メアリー流「恐妻」としての夫の支え方

メアリーがリンカーンとの結婚にこだわったのは、彼が「大統領になる男」だと見抜いていたからだ。それくらい、リンカーンの真摯な性格と有能さは噂になっていた。

しかし、結婚して何もかもがいきなり上手くいったわけではない。上流階級出身のメアリーにとって、素朴な生活を好んだリンカーンの日常は別世界だった。また、州議院時代のリンカーンは実際に収入も少なく、貧乏だったのだ。

メアリーは慣れない家事を引き受ける一方で、夫には厳しく接した。服装に無頓着だったリンカーンを叱りつけ、洗練された格好をするよう強制した。社交の場では朴訥とした夫よりも前に立ち、積極的に有名人たちに顔を売った。家では夫が口ごたえすると熱いコーヒーをかけるなどのDVまで行っていた。

まさに「恐妻」だが、メリットも大きかった。リンカーンはメアリーのおかげで政治家として必要な人脈とセルフプロデュース力を身につけた。奴隷制度を肯定していたリンカーンが反対派に寝返ったのも、メアリーのアドバイスがあったからだった。

気が強いだけでなく、聡明でもあったメアリーは世論を的確に読み取り、夫の人気が上がるように操作していたのである。威厳に満ちたリンカーン像を作り上げたのは「恐妻」メアリーだったのだ。

メアリーから学ぶ「妻が目立つメリット」とは

メアリー・トッド・リンカーン


出典:blog.fitnyc.edu

メアリーは公の場で派手に着飾って、人々の注目を集めた。そんなメアリーを嫌っていた人も少なくないし、現在でもメアリーを「悪妻」と断定する意見はある。しかし、メアリーが派手なパフォーマンスに及んだのも、夫であるリンカーンに欠けていた社交性を補うためだった。また、メアリーが夫を怒鳴り散らし、ときには暴力まで振るっていたのも、夫以上に夫の将来を確信していたからだ。

女性読者がパートナーの原状に不満があるのなら、まずは自分自身に問いかけてみるべきである。「私は夫の力を信じているだろうか」と。まずは、誰よりも夫の側にいるあなたが夫を信じてあげるのだ。そして、あなたが変わることで夫が変わるのだと理解しよう。

たとえば、夫の上司に会うときは夫を立てるために引いた立場をとるのではなく、自分がどんどん目立つように心がける。遠慮なく、自分が場の中心になってしまうのである。結果的に「こんな女性と結婚している男性は器量が大きい」と思ってもらえるし、夫の意識改革にもつながるだろう。

そして、夫を常日頃から甘やかさないことである。メアリーのように暴力をふるえとまでは言わないが、少なくともそれくらいの気概は宿しておきたい。夫の欠点を指摘し、改善させるのがメアリー流「あげまん」術なのだ。

夫を信じることは自分を信じることでもある

メアリーから一番学ぶべきポイントは「夫を大統領にする」と考えたのではなく、「自分の夫は大統領になる」と信じてブレなかったことにある。大統領になるという未来を確信していたからこそ、それに相応しくない行動を取るリンカーンが許せなかった。だからこそ、DVのような極端な手段に出るほど、夫の過ちを正そうとしたのである。

そして、メアリーは夫を選んだ自分の価値も疑わなかった。

「私のような女性に愛されたのだから、この男は大統領になるに違いない」と思い続けた。
メアリーの行動の裏には、夫への信頼と自分への信頼、二重の信頼がすさまじい循環を作り上げていたのである。

メアリーのように考えられる女性は少ないだろう。結婚生活が理想どおりにいかなくなると夫を責め、そしてそんな夫を選んだ自分を呪ってしまうはずだ。しかし、マイナスのことばかり考え始めると建設的な行動は生まれない。

「あげまん」になるためにはまず、夫を尊敬するところから始めよう。
今、夫が尊敬できなくても「自分が結婚したのだから尊敬できる人物になるはずだ」と思い込むのだ。

そして、こうした思いを抱くにふさわしいだけの立派な妻であることを自分でも意識しよう。
「あげまん」とは同じだけの強い思いで、夫も自分も信じきれる人のことを言うのである。

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