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目次
音楽プロデューサーから「恋愛ライフデザイナー」へ
中村あきら(以下、あきら) 本日のゲストは、カナダのバンクーバーに住まわれている久野浩司さんです。もともとはレコード会社のプロデューサーとして、アーティストの「ゆず」「SPEED」や「BRAHMAN」をずっと担当していらっしゃいました。約3年前にバンクーバーに移住し、今は恋愛カウンセラー、セミナー講師として活躍していらっしゃいます。結構異色で大変面白い方だなと思って、今日は深堀りさせていただければなと思っています。早速ですが、軽く自己紹介をお願いします。
久野浩司(以下、久野) 僕は、まず16歳の時に高校留学でアメリカに行きました。なぜアメリカに行ったかというと、そもそも勉強が目的ではなく、小学校の時から洋楽のマニアックな音楽が好きだったので、現地でいっぱいライブが観たかったからなんです(笑)、あとは映画も大好きだったので、やはり海外の映画や音楽などカルチャーに憧れてました。
出典: skypiea.ca
特にアメリカへの憧れから、中学3年生の時にサンフランシスコとL.A.そしてサンディエゴも含めてわずか10日間ほどですが、初めて一人で旅をしました。そこで見て、感じたアメリカそのものにもう衝撃を受けましたね。初めてアメリカに来て「うわっ、やっぱここだわ」と確信した。絶対住もうと思いました。
あきら 最初に憧れたのは、カナダではなくてアメリカだったんですね。
久野 はい。そこで帰ってから、すぐに親を説得して、運良く16歳の時にアメリカの高校に行けることになりました。その時はもう本当に正直な話、日本に戻らなくてもいいやと思ってました。ところが、現地に行ったことで日本のすごさや素晴らしさを逆に教えてもらいました。
高校は寮でしたが、大学は一応ちゃんと行ってましたが、基本的には、勉強よりはライブを見たりいろんな遊びをして22歳で帰国しました。
あきら アメリカで青春を送ったんですね。
久野 それで、23歳から最初の就職先として旅行会社のH.I.S.に入社しました。本当は音楽の仕事をやりたかったのですが、当時は新卒では入れなかったので、音楽以外に自分がやりたいことって何だろうと思ったとき、それまでの旅行は貧乏旅行ばかりでしたから、今までの旅行スキルを活かして旅行関係の仕事もいいかなと思ったのです。その2つ以外は思い浮かびませんでしたし、それ以外をしてもしょうがないなとも思っていました。
あきら 最初は旅行業界から社会に入ったのですね。
久野 H.I.S.では新卒入社として入りましたが、実際に働き始めたら、やはりこの仕事は本当に自分がやりたい仕事なのかなって自問自答するようになったのです。旅行は好きだけど、旅行会社で働くということは自分が旅行に行くわけではないのですよね。そういうことを含めていろいろ考えさせられて、結果的に1年半でもともとやりたかった音楽業界に転職しました。
あきら そこから音楽業界に。
久野 はい。その後はもう、音楽の仕事は自分にとって天職みたいなもので、大きいアーティストから新人を含めて20年近く現場で仕事をしていました。
あきら そのときにゆず、BRAHMAN、SPEEDなど多数のアーティストを手掛けたんですね。
久野 はい。音楽という大好きな仕事を手に入れ満足はしていましたが、30代に入り、その間に結婚して子どもも生まれ、もう一度、人生は1回限りと考えると、次に僕がやりたいことって何だろうって常に考えつつ仕事を続けていました。そんな時に、恋愛やパートナーシップの大切さを実感するようになっていったので、既婚者の立場からそれを女性に上手く伝えられたらなと思うようになりました。
あきら 音楽プロデューサーから恋愛アドバイザーへ。その変化がすごい!
久野 ありがとうございます。2008年、たまたまAll Aboutというサイトで恋愛のコラムの記事を書くことになったのですが、それがきっかけでたくさん反響をいただき、本もすぐに出版させていただきました。その後、本を読んでくれている人たちに会いたいなと思うようになり、2010年からはセミナーを開くようになりました。今はパラレルキャリアという名称もポピュラーですが、僕の場合も、当時は会社員やりながら恋愛カウンセラーになったのでした。もう今では、その時に始めた「恋愛ライフ・デザインセミナー」をもう6~7年くらい続けています。
「最高のパートナー」とは、自分の人生でやりたい夢や叶えたいことを応援してくれる人だ
久野浩司さんの「恋愛ライフデザインセミナー」
あきら すごいですね。ライフ・デザインセミナーでは何を大切にしているんですか?
久野 僕が多くの女性と話していて思ったのは、結婚を相手ありきで考えてしまう傾向があるなということです。しかし、自分の経験を踏まえた上で思ったのは、パートナーに自分が合わせるわけではないということ。まだ見ぬパートナーをさがしにいくのではなくて、自分の人生をどうしたいかということが最も大事なのですよ。僕が定義する「最高のパートナー」って、自分の人生でやりたい夢や叶えたいことを応援してくれる人だと思っています。
あきら 確かにそれこそ、最高のパートナーですね。よく、現実を教えてくれる人がパートナーだって勘違いしている人がいますが、それはパートナーじゃなくたってできることだと感じてます。
久野 そうですよね。僕の場合、人生のうち海外でもう1回家族で住んでみたいという想いがありましたから、やはりここは奥さんのOKが出なければ当然できないことだったりしますよね。
あきら 家族で海外に住むというのは素晴らしい体験ですよね。
久野 例えば、自分のやりたいことを応援してくれたり、背中を押してくれたり、肯定してくれる人でなければ結婚してもうまくいかなくなります。向いている方向が違うからです。しかし、結婚する前の人は、そこまで明確に見ていないものです。「ただ、理想の人と結婚したい」って、なんとなく思っているのです。それはなぜかと言うと、年齢的なことだったり、周りが結婚しはじめたり、親から催促されたりという自分の意思とは無関係な要因が強いんですよね。
あきら 自分の意志とは無関係な要因で結婚してしまう。まさに、現在は多いように感じます。
久野 僕が今主催しているライフ・デザインセミナーでは、まず自分ありき、本来の人生の目的を伝えています。ですから僕自身が誰かいい結婚相手を紹介するとか、そういうことには僕は興味がありません。まずは自分の趣向と考え方と行動を変えることによって最高のパートナーを捕まえてくださいと言うことを伝えているのです。
あきら なるほど。まずは考え方や行動を変えると。
久野 よく話をしていて思うのは、自分が何をやりたいのかをわかっていない人がとても多いなってことです。僕は10代でアメリカに行ったことによって、いろいろな国の子たちと接していました。そうした中でそもそも人は違うのが当たり前、考え方も違えばやりたいことも違うわけです。それでOKなんだよ、いいんだよということを知りました。
しかし、日本の教育は良くも悪くもはみ出すことを教えられていませんよね。はみ出す人はダメだという教え方をされている。なるべく周囲に合わせることがよしとされている環境であるために、20代30代と年齢を重ねても引き出しが多くなることはないのです。もっとはみ出すことを経験しないと、変えることはなかなか難しいです。
なので10代20代前半で海外に出た人は、一度外から日本という国を見ることになります。そうすることで、日本と比較したり、客観的に感じることができますよね。しかし、それができないと、やはりこうでなければならないという、日本式の風習にブロックされてしまうなと思いました。僕の場合は、恋愛というパートナーシップがテーマではありますが、恋のノウハウを教えているわけではありません。パートナーシップというものは自分がどうしたいのかが非常に大事であると伝えています。
自分の可能性と方向性の先に、一緒にいるべき「パートナー」がいる
あきら なるほど。このブログではあげまん女性をテーマに記事を掲載しているのですが、まさにそういう「自分を知る」ことで「自分のパートナーを知れる」ということなのかなと思うのです。自分を知ることができたら、どのような変化が起こるのでしょうか?
久野 まず、本物のパートナーが誰かっていうことが明確になります。恋人探しの延長のようにみんな婚活をしていますが、それはやはり少し違う。正直な話、恋愛している時のドキドキは結婚においてはそんなに必要ありません。むしろ安らぎだったり、信頼関係がとても大事なのです。ただやはりそこは、結婚してからわかることではあるのですが、結婚をゴールと捉えている人は、そこをはき違えてしまったりしています。そこは自分の経験や、僕の受講生で結婚した人の例を踏まえます。あと僕ができることは、背中を押したり、スイッチを入れること。ほとんど人は自分を信じることができていないので、まずは自分を信じる力が一番大きいのではないかというところです。
あきら なるほど。自分を信じる。
久野 だから、まず自分を信じましょう。向かうべきところをしっかりと分かっている人は、パートナーになりそうな人と出会ったとしても「この人は違う」ということもきちんと判断できます。それをわかっていないと、年収や勤務先などの条件ありきで相手を探すようになってしまいます。
あきら イメージでいくと、地図があって、自分の立ち位置がわからないような状態で、どこに向かっていいかを探すような感じですか。
久野 そうです。電車に例えると、普通は電車でどこに行くか自分で行き先を決めるものです。ところが、婚活で漂流してしまうと、電車に乗ってはみたものの、どこに行くのかわからない。隣の人に「すみません、私ってどこに向かっているか知ってます?」と聞いているような状態の人が多いのです。自分の生き方に合うようなぴったりのパートナー、俗に言うあげまん的なパートナーにであうことで、掛け算の法則になります。そのあたりがどうしても、なかなかピンとこない人たちがいるのでわかりやすく伝えることが、自分の役割かなと思っています。
あきら なるほど。まとめると、あげまん女性になるためには、まずは自分を知り、自分の立ち位置を知ること。自分の可能性と方向性ができた時に初めて、一緒の方向を向いているパートナーを知ることができると。
久野 そうですね。同じ方向に向かっている人なら自然と合流するはずなのですよ。自分がどこに行こうとしているのかがわかっていれば、自分とは全く世界観が違う人がいたとしても、その人とは合わないって気づくものです。むしろ、途中で合流した人が「向こうへ行きますか?僕もなんです」と言ってくれるような人が本当のベストパートナーとしてふさわしい、という考え方です。
あきら それは素晴らしいですね。
久野 不特定多数の人に「結婚したいんです」と売り込んだだけでは結婚は難しいのですよ。なので、やはり自分を知ることで、女性側から見て、その男性の生き方を共感できるかどうか、そして応援したいと思えるかどうか。それが思えなければ上手くいきません。一方的にそう思えるのではなく、双方ともに同じように思えるような人がベストパートナーの定義です。
あきら なるほどありがとうございました。
中編につづく
次回は、「結婚とはゴールではなく、共同プロジェクトである!」をお届けします。
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