【中編】事業家セラピスト中野潤×中村あきら対談「不労所得で得られるものと失うもの」

中野潤セラピスト
間接照明のネットショップをバイアウト(会社売却)して不労所得をえた中野潤。現在はセラピストをやる傍ら、事業家としても活躍中だ。不労所得はどのようにして得たのか、不労所得の生活で得たもの失ったものは何なのかを中村あきらが詳しく聞いていく。
【前編】マイクロバイアウトして不労所得になるには?」はこちら
【後編】「不労所得ウツから抜け出し、新しいビジネスを始めるには?」はこちら

あきら そうやって実際に事業をバイアウトしたじゅんくんだけど、そのまとまったお金を持って、どういう生活を送っていたの?特にぼくら世代は本田健さんとか神田昌典さんの影響をすごく受けた世代じゃない。時間に拘束されずに自分の好きな仕事をして財産築く。そして不労所得を得ながら自分の人生の幸福感を高めるってぼくはすごく憧れたんだけど。実際のところ不労所得を得るとどういうことをやるの?

不労所得を得ると今まで対処してなかった自分の課題と向き合うことができる

不労所得の中野潤

じゅん 俺は自分と向き合う時間をちゃんと取れるように出来たのが良かったね。ナカショウを運営してる時も、結構気持ちがふさぐ時期とかもあったし、あとアトピーとかもあったから、売却後は、そういう今まで対処してこれなかった自分の課題に対してじっくり向き合うようにしてた。だから何もしてないと言えば何もしてないんだけど、周りからはただぼーっとしる人に見えただろうね笑。アトピーを治すべく断食したり、食生活を変えたりして、いろいろ人体実験してたよ。あと、心の問題とかも、両親が心理学の分野で働いている人たちだから、すごく興味があってカウンセリングとかセラピーの勉強とかも深く学んだかな。

あきら 当時を振り返って、どうしてそれをやったと思うかな?

じゅん やっぱり人ってやりたいことに対しては言われなくても勝手にやるじゃん。ただ仕事とかお金稼ぐことに時間を取られてやりたいことが出来ないって制約がかかるちゃうんだよね。だから俺の場合も、働かなくて良いし、当分お金の心配もいらないってなって、自分がずっとやりたかったこと、気になってたことをやったって感じかな。

あきら そういう昔からずっと気なってたことを気兼ねなくできるって状況を実際に体験してどう感じたの?

じゅん 別に売却してこれがしたいとか計画立ててた訳でもないのに、そういう心理学系の勉強に対して自然に入っていったから、やっぱり興味のレベルがすごく高かったんだろうね。というか本当に悩んでたんだよね。それに、事業してるときより、自分の人生のやりたいことに直結してる分、やっていて満足感も高かったな。

あきら じゃああれだね。不労所得を得て、お金の心配から開放されると、人って自然と自分の興味のあるところが分かってくるってことかな。

セラピスト中野潤

じゅん そうだと思う。普通のサラリーマンとして、日々生活のためにお金を稼ぐということに囚われてる人に、急に二億円渡したりして、生活のために働かなくて良いって状況をつくってあげたら、その人の発想とか行動って絶対変わるよね。絶対やりたいことをやるだろうし、場所に依存しないで好きなところ行くと思うよ。

あきら たしかに発想は変わるよね。特に場所に縛られない考え方が出来るってのはすごく分かる。ぼくもサイトをほぼすべて外注にして、ある種の不労所得化にしたら、ずっと行きたかった世界を見て回ってシリコンバレーに行ったもんね。じゃあ、不労所得を得ることで、得られる最大のベネフィット(利益)ってなにかな?

じゅん 自分の本当に深いところまで見つめる事が出来るってことじゃないかな。それは場所も時間も自由にできるからね。すげえ良い時間だったよ。

あきら なるほど。やっぱりそこだよね。じゃあ逆に聞くけど、不労所得を得たからこその苦労とか大変なことはあったの?

自分を律することを意識しないと廃人になる

不労所得を得るには?中野潤

じゅん やっぱね、まじでやらなきゃいけないことないから、自由過ぎると周りと時間がすれ違うようになるんだよね。みんな働いてるから会いたいときに会える友達もいないし、いつ寝てもいいし、いつ食事してもいいし。そうしてると生活は乱れるし。だから個人にもよるけど、バイトとかした方がいいと思うんだよね。時間と場所を拘束されるって個人としては本当にしたいことが出来なくて辛いだろうけど、社会人として「生活をする」という大前提にはすごく適したことだと思うよ。今「オフィス」ってすごいなって改めて思うよ!その制約がないとぐーたらしたくになるし、俺もいかに自分を律するかってことに結構エネルギーは使ったからね。

あきら さっきのサラリーマンの例じゃないけど、宝くじで大型当選した人がそのあと不幸になる割合が高いのと似ている印象だね。急に開放されると社会性がなくなってしまうっていうことかな。自分を律するっていうのは具体的に何をしたの?

じゅん バイトしたよ。バイトすると強制的に人とも関わるようになるし、人と関わることでエネルギー回せるからね。ずっと家で一人で引きこもってると心理的には逆にすごく負担になるし。

あきら 不労所得を得て働かなくていいってなったのに、バイトするっていうのが面白いね(笑)でもそれって普通のバイトしている人と目的が全然違うよね。それも広く見た上で、自分のしたいことを出来てるってことなのかな。

じゅん そうだね。実際、売却した直後に「よっしゃ!やりたいことやるぞ!」って思うのに、すぐ思いつくやりたいことって2週間位で全部やれちゃって後は暇になっちゃうんだよね(笑)。問題はそのあとどうするかだよね。ぐーたらで時間とお金をなんとなく浪費して過ごすか…、深く自分を見つめるかの分岐点に差し掛かるから。

あきら なろほどね。他の不労所得を得た友達も同じように悩んでたね。みんなそれを「不労所得ウツ」って呼んでた。実際その期間ってどれくらい続いてるの?

じゅん 今で二年目くらいかな。その期間の中で、何度かビジネスはしようとは思ってたんだけど、スイッチが入ってくれなかったんだよね。何も起きなかったんだよ。前の事業を頑張れたのも、成功して自由を得たいっていう現状の不自由から来る欲求だったから。けど最近やっと、以前とは違う目的でもって事業を始めようとしてるとこだよ。

あきら 以前とは違う目的って気になるね。

不労所得で得るもの

後編へつづく

次回は、「不労所得ウツから抜け出し、新しいビジネスを始めるには?」をお届けします。

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