僕らは常に、ザッポスを創りたいと言ってますが、
ザッポスのどの部分が、一番心に惹かれたかというのを書きます。
ザッポスでは、10のコアバリュー(大切な価値観)を定めています。
その一つに、
【ポジティブなチームとフォミリー精神を築く】
というものがあります。
そのコアバリューの説明で、ザッポス社員が感想を話しているシーンがあります。
悲劇の後に起こったこと
2007年12月、私の夫は悲劇的な状況で亡くなりました。
子供達にとって、私達家族にとってそのことが何を意味しようとしているのか、私は考え始めることもできませんでした。
最初にこの知らせを聞いたとき、私は頭が真っ白になってしまいましたが、一本電話をしなければなりませんでした。
不思議なことですが、私が電話をかけた先は近親者ではありませんでした。
かけたのは私の職場、
ザッポス・ドットコムだったのです。
このたったひとつの行動で、自分が同僚とザッポスの文化に強い絆を感じていたのだと思い知りました。
ザッポスは、私のもうひとつの我が家のような存在だったのです。
取り乱した私の電話を受けたときにシニア・マネジャーは深く同情してくれたうえ、私が落ち着くような適切なアドバイスをくれました。
彼女は私に何も心配しなくていいから、私自身と家族を大事にして、何か必要だったら昼でも夜でもいいから電話をするようにといってくれました。
彼女と連絡が取れる電話番号をひとつ残らず教えてくれたことで、私は彼女が本気で言ってくれたのが分かりました。
私にとってザッポスが大切なのは以前と同じでしたが、夫が亡くなった後にしてもらったことには驚かされ、恐縮しました。
私は一刻も早く仕事に復帰しようとしなくていいと再度言われました。
また、彼らは夫の葬儀で賄いまで買って出てくれたのです。
葬儀に参列した親族たちは、このような類のことをしてくれる職場はまったく聞いたことがないと言いました。
私はただ微笑んで、
「すばらしいでしょ。それがザッポスなのよ」と
言ったのです。
現場に復帰したとき、同僚たちが周りでどう振舞うかが分からずに、私は神経質になっていました。
しかし、心配は長く続きませんでした。
常に誰かが私の話に耳を傾け、励ましの言葉をくれ、私が涙を流しているときは私と一緒にいてくれたり、ただ抱きしめてくれたのです。
同僚とマネジャーたちは一様に私の傷が癒えるまで時間をかけ、チームに貢献できて役立つメンバーとして続けていくのに必要な力をくれました。
結局、ザッポスにいる私の大きなファミリーからもらった最も大切な贈り物は励ましと友情でした。
ザッポスは、私が自分の人生に立ち戻るのに必要だったものをすべてくれた私の避難場所、癒しの場だったのです。
——『ザッポス伝説』社員 ロビン・Pの回想より
この文化こそ僕らが体現したいものです。
この深いつながりを創ること。
経営者として、これ以上の仕事はないと思っています。
