【後編】元ウブロ代表取締役・高倉豊×中村あきら対談「上質なものに触れると自分の世界が広くなる」


高級腕時計ウブロの元代表取締役の高倉豊さん。当時、ウブロは日本人の誰も知らない時計だった。今では経営者や芸能人、成功者の憧れの時計としてそのブランドを築いている。そのブランドをつくったのが高倉豊さんだ。ウブロだけではなく様々な一流外資系の社長を歴任した。スポーツ選手の憧れの高級時計「タグホイヤー」、高級化粧品「パルファム・ジバンシイ」「イヴ・サンローラン・パルファン」「シスレー」など一流の外資ブランドを日本へ浸透させた立役者だ。今は、起業家や経営者に「ブランド再生請負人」として活躍している。
【前編】「一流外資系経営者にはどうやってなるのか?」はこちら
【中編】「数々のブランドを作ってきた経験に裏打ちされたティッピングポイントの超え方」はこちら

あきら 最近の若い人は、高いものをあまり買いたがらないし、持ちたがらないなと思うんです。でも20代で成功している起業家とか観察すると高級なものへの憧れが強かったように思います。なのでぼくから見たときに成功するにはまず、高級なものにあこがれを持つ必要があると思うんです。上質なものに触れることについてや、憧れについて、高倉さんはどのようにお考えですか?

元ウブロ代表高倉豊さん

高倉 まず言えることは、今の時代どんな情報もネットを介してすぐに手に入ってしまうというのが前提にあると思うんですね。例えば、ぼくが、若いころは、ヨーロッパの情報を知りたかったのに、全く知る方法がないから、本屋で白黒のパリの写真なんかがあれば、それを食い入るよう見ていましたよ。そういう強い憧れがあったからこそ、博報堂で、ヨーロッパ-転勤の話が出たら喜んで行きましたし、行って良かったと本当に思います。実際に見るパリは、本で見るものより、生々しく綺麗でした。それは、今の人達にも言えると思います。ネットで情報を得ただけで、本当に「知った」ことには、ならないじゃないかな。実際に、見て、触れて、経験するってことはすごく大事です。そのきっかけが、「憧れ」だと思います。

あきら 上質なものに触れると、そのものの本当の価値が分かるということですか?

高倉 そうです。例えば、簡単なところで言えば、ぼくは、絵じゃないかなと思います。一度本当にすごい絵を生で見ると圧倒されるんですね。それ以降、2流3流の絵が見られなくなってします。戻れなくなっちゃうですね。だから、ぼくも別に高いものにこだわらず、本当に良いものというのは、たくさんあります。それが、絵や音楽や服、靴、時計など色んなジャンルがあるので、どれでもいいんですが、それに触れるとその良さが分かります。実際、5千円のカッターシャツと15万円のカッターシャツのクオリティの差なんて、ほんの少しです。編み方なのか、生地なのか違いは色々あるんでしょうが、写真で見ても、その違いは分かりません。やっぱりちゃんと袖を通して実際に使ってみると、その僅かな違いが分かります。そして、自分の世界が、その違いに反応できる分だけ広がります。それは、本当に得難い経験になると、ぼくは思います。

高倉豊×中村あきら

あきら なるほど。ただ、若い人たちの言い分として、「一度高いものを経験すると、それ以下のものに戻れなくなる」という恐れもあるみたいなんですが、それについてはどう思いますか?

高倉 高いものばかりが良いものとは限りませんし、上質なものに触れる機会は沢山あります。それに、「戻れなくなる」というのは、実際に体験するとそう思わないのではないですか。そうというのも、その考え方は、「買った」ときにお金を払うその瞬間に快感を覚えるんじゃないか、というところにばかり焦点を当てていると思うんですね。本当に良い物は、買った後の実際に使っている、その「経験」そのものにすごく価値があります。だから、そこで、世界が広がりますし、満足を覚えます。その感覚さえ身につけておけば、「買う」ときの満足は小さなもので良く、そこにこだわらなくなります。一度そういう経験をすると、安くて良い物を探せる目を持てますし、世界はより豊かになっています。なので。「戻れなくなる」と思って、怯むのは、とてももったいないと思います。

あきら 上質な「もの」そのものではなく、「もの」を通して、上質な「体験」をしろ、ということですね。

高倉 そうです。自分の例で、恐縮ですが、今履いている靴は、ベルルッティというイタリア製の革靴で、一足20万円位するんです。ぼくも、ブランド物は好んで買おうとは思いませんし、「靴に20万なんて」と思うんですが、やっぱり履くと素晴らしい靴だな、と思うのですね。長時間、歩いても疲れないですし、革も磨けば磨くほど、綺麗になる。しかも、良いものだから大事に扱う。雨の日には履けない、とかね。そういう感性を養うのは、ビジネスをする上でもとても大事だと思います。

高倉豊さんのベルルッティの靴高倉豊さんのベルルッティの革靴

あきら 良い物を買って、経験し、感性を養って、良い仕事をする。そしてまた良い物を買う、という好循環が生まれますね。もののジャンルは、なんでもいいんですか?

高倉 なんでもいいです。ただ、一度、何かに「ハマる」のが大事だと思います。靴でも、時計でもいいですが、そのある分野にこだわって、そこに実感とお金を費やすと、「何が良いものか」という判断基準が自分の中で出来ます。それが、また色んな分野に触れた時に自分のものさしになってくれます。ぼくは、一時期家造りにハマりました。田舎暮らしが好きで、友人に誘われて、田舎に土地を買ったんですね。そして、8年かけて、自分で家を作りました。家を作っているときは、試行錯誤の連続でした。どうすれば、もっと良い物ができるかということにばかり、自分の持っているものを注ぎ込みました。その間は、本当にハッピーでしたし、こんなに楽しい世界があったんだと思いました。だから、なにかに一度、のめり込むということをしたらいいんじゃないでしょうか。「低いレベルで」で満足すると、「低いレベルの」興味と喜びしか満たせません。それでは、あまりにつまらないじゃないですか。

高倉豊さんが作った家高倉豊さんが8年かけてつくった家

あきら そうやって、色んなことにのめり込むと、自分の世界はよりどうなりますか?幸せになるんですか?

高倉 幸せになると思います。本当になんでもいいんです。お金がないなら、仕事や勉強に没頭したらいいんです。没頭するために、まずは、かっこ良く仕事や、勉強をしている人に憧れてみるといいです。そうすると、絶対にのめり込むと思います。今の人達は、簡単に情報が手に入りすぎて、情報と感情が繋がってないんじゃないかな。

あきら そうすると、今は、「のめり込むことが怖い」みたいな風潮がありますが、それはすごくもったいないですね。

高倉 のめり込み、体験することでしか、「こんな世界があったんだ」とほんとうの意味で知ることは出来ませんから。

あきら なるほど。知ることを貪欲に追求した先に、本当の幸せがあるということ。そして、知ることとは、実際に経験してみる、そして出来れば、のめり込むと、もっとその先の世界が見えてくるということですね。今日は本当に貴重なお話をありがとうございました。

高倉 こちらこそ、ありがとうございました。

高倉豊×中村あきら対談

中村あきら×高倉豊対談終わり
(構成・編集 湯ノ口直樹

【前編】「一流外資系経営者にはどうやってなるのか?」はこちら
【中編】「数々のブランドを作ってきた経験に裏打ちされたティッピングポイントの超え方」はこちら

一流なもの、一流の人に触れて自分の世界を広げよう!

高倉さんと話してて、とても暖かく包み込むような優しい力を感じた。

高倉さんの話にもあったが、ぜひ一流のもの、一流のひとに触れてほしい。
その一流との違いの分だけ、自分を成長させることができる。

その違いの分だけ、自分の世界で反応できるようになる。
その違いの分だけ、あなたの世界が広がる。

それってすごく素晴らしいことなんだよ。
一流に触れよう!

 

高倉豊さんの著書はこちら


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中村 あきら

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