【前編】銭湯シェアハウスオーナー高橋政臣×中村あきら対談「昔ながらのビジネスと今の時代のビジネスを掛け合わせるには?」


横浜・鶴見にある銭湯シェアハウス「清水湯」オーナー高橋政臣。昔ながらの銭湯というビジネスと今の時代の象徴ともいえるシェアハウス事業・ネット物販事業をうまく組み合わせビジネスをしている。今日はそんなまーくんに、どのようにして昔ながらのビジネスと今の時代のビジネスを掛け合わせるのか聞いてみた。
【中編】「後継者として引き継いだビジネスをいかに自分色に変えていくか?」はこちら
【後編】「「先代のつながり」をいかに「自分のつながり」へと変えていくのか?」はこちら

中村あきら(以下あきら) 今回の対談相手は、横浜にある清水湯という銭湯のオーナーである高橋政臣さんです。ぼくはまーくんって呼んでます。まーくん、いつもお世話になってます。シリコンバレーから東京に戻っている間、いつもこの銭湯シェアハウスを利用させてもらってます。それで今日はまーくんが実際に何をやっているのか、銭湯シェアハウスの運営も含めて色々聴ければなと思っています。

高橋政臣(以下政臣) よろしくお願いします。

あきら じゃあ、まーくん今は何をやっているか教えてもらえますか?

ウェブの仕事から銭湯のオーナーに転身

横浜・鶴見「清水湯」外観横浜・鶴見区銭湯「清水湯」

政臣 今事業としてやっているのは、公衆浴場・銭湯の経営。新しいところで言えば、シェアハウスの経営と銭湯ファンに向けてグッズ販売をやってます。銭湯を継いだのは5年ほど前になるんだけど、元々は祖母が亡くなったのをきっかけに父親が引き継いだんだよ。父親はずっとサラリーマンをしていて、定年退職を機に銭湯を継承したんですけど、そもそもそんなに銭湯を経営しようとするモチベーションもなくて、祖母を弔うために数年だけやろうと決めていたみたいなんだよね。だから数年経ったある日、父親から「そろそろ銭湯を辞めようと思うけどどうする」と訊かれました。僕はその頃、東京で働いてたんだけど、小さい頃からいつか自分にもお鉢が回ってくるとは思ってた。けど実際に継ぐかどうするか聞かれたときは、父親と一緒に働くことへの抵抗感もあったし、銭湯を継ぐ覚悟も出来ていなかったので戸惑ったね。最終的には自分が継がないと愛着のある銭湯がなくなってしまうということは分かっていたので、一度父親に銭湯について話の場を設けてもらいました。そして父親と色々話して行く中で段々銭湯を継ぐことに前向きになり、最後は継ぐことを決めて今に至るってかんじかな。

あきら 実際にどういう話をお父さんとしたの?

政臣 うちの銭湯の経営や内情に関することかな。一般的には銭湯って家族や親族だけで経営をしているところが多いんだけど、うちはパートタイムで働いている人が多い。普通は雇っても一人か二人なんだけど、うちのように、ほぼパートさんというケースはほとんどないって話とか聞いたりして、パートさんの雇用もあるし、急に銭湯を辞めるってなったら申し訳ないなとは思った。なにせ僕が三歳のときから働いている方もいるから。あとは、実際に経営するにあたって数字を確認したら赤字にもなってなかったので、スムーズに引き継げるかなっていうのもあった。ちょうどその頃、結婚したので、結婚して環境を変えるのにもいいタイミングだと思ったのも継いだ理由の一つかな。

清水湯オーナー高橋正臣×中村あきら

あきら ぼくもホームページ制作からネットショップに変わったのは結婚がきっかけなんだよね。やっぱり人生の転機は事業にとっても転機になると思う。お父さんに「どうする?」って訊かれたとき、まーくんは何の仕事をしていたの?

政臣 ウェブ制作の会社で働いてました。

あきら それから、一転して銭湯のオーナーなることに違和感はなかったの?

政臣 違和感はあるよね(笑)。それでも自分は人付き合いとかも好きな方だったし、銭湯という事業に対してはポジティブな印象しか持ってなかった。けどずっとウェブ制作としてデスクワークばかりしていたから、急に銭湯の経営って身体を動かすことが多い仕事に順応するのには少し時間かかったかなとは思う。それよりも父親に仕事を教えてもらうっていうのが最大のネックだった。いい歳になって、親から何か教わるとなると、お互いやり方や考え方が違うから何度も衝突したし、お互いイライラしちゃって、ものすごく険悪な部下と上司みたいになってた。ただ僕の知り合いの中でも、親から事業を継承する人の多くが同じような問題を抱えてるみたいなんだけどね。

あきら 二代目や三代目の共通の悩みなんだね。シェアハウスをやり始めたのはどうしてなの?

30代が多い銭湯シェアハウス

政臣 10年前から家賃が安く抑えられるし、色んな人住めるので、個人で部屋を借りてシェアハウスをやってたんだよ。10年前ってシェアハウスの考え自体あまりなかったんだけど、これは事業になるなっていう感覚はその当時からあった。それで銭湯を引き継ぐなら、実家に住むことになるし部屋もたくさん余ってるから始めようって思ったのがきっかけかな。ただシェアハウスも銭湯を引き継いですぐ始めたから、親がまだ家に住んでたんだよ。だから両親とシェアメイトと僕と嫁さんで一緒に住むってカオスな状態だった(笑)。

あきら それ面白いね(笑)。両親はすんなり受け入れてくれたの?

政臣 かなり困惑してた(笑)。両親としては、やっぱり自分の家にずっと他人がいるのは落ち着かないらしいし、色々と心配はされたけど、強行突破した。自分はそっちの方が楽しかったし。

あきら シェアハウスはどうやって人を集めたの?最近はシェアハウス専用の求人サイトとかもあるけど。

政臣 僕のコミュニティが広かったのもあると思うんだけど、最初は僕の友人たちに告知したらすぐに人数が集まった。そのあとも求人とか人を探すための費用を全くかけずに、友人づてで入居人を集めてるかな。

あきら シェアメイトの入れ替わりはどれくらいの頻度で起こるの?あと住む人の年代はどれくらい?

政臣 大体一年から2年でメンバー全体の半分は変わるかな。けどうちは長い方だと思うよ。年齢層は、20代後半から30代が多いかな。他のシェアハウスは20代ばかりのようなので、うちは比較的が高めですね。

清水湯のシェアハウスのメンバー清水湯シェアハウスのメンバー

あきら シェアハウスを運営する上で、まーくんなりに意識していることってあるの?

政臣 他のシェアハウスは、自分たちのコンセプトを掲げて人を集めているみたいだけど、うちは元々実家に友人や知人と住んでるってこともあって、この家自体を住人に合わせるってことは意識してるかな。そのとき住んでいる人の色を足していくって感じ。例えば、料理が好きな人が住めば料理道具を増やしていくし、植物を育てるのが好きな人が住めば屋上に菜園を作ったりした。

あきら なるほど。人が家に合わせるより、家が人に馴染んでいく方が親しみを持てるよね。他にも最近、銭湯Tシャツとかも販売してるけどそこを詳しく教えてもらえるかな。

銭湯ファンに向けてネット販売する

清水湯Tシェツ販売ページ「清水湯」銭湯グッズ販売ページ

政臣 銭湯に行きたくなるようなグッズを販売しようと思ってサイトを立ち上げて、Tシャツと手ぬぐいとマグカップを自分が個人的に惚れ込んでたデザイナーさんに商品のデザインをお願いして作りました。なんで作ろうと思ったかというと、銭湯って今、いろんな層にファンがいて注目されてるんだよね。銭湯って一口に言っても色んなタイプのものがあって、オシャレなスーパー銭湯もあるし、昔ながらの味わい深い銭湯もあるけど、どちらにもその銭湯を好きな人たちがいるから、銭湯の文化自体がすごく愛されているんだなって思う。特にうちみたいな昔ながらの銭湯には、銭湯の佇まいが好きとか、普段銭湯には来ないけど雰囲気が好きとかで来てくれるお客さんもいるから、そういう人たちのためにも違う形で銭湯の文化を伝えられるものがあればなと思って作ったんだよ。本当に銭湯ファン向けのグッズで、それを販売するサイトもファンサイトみたいになればいいなって。発想としては、ミュージシャンが物販してる感じなんだよね。ファンがアーティストのTシャツを来てライブに行くみたいなノリで、Tシャツを来て銭湯に来るみたいなことが起これば面白いなって思ってる。

銭湯グッズ

あきら まーくんの事業のやり方って、昔ながらの事業を引き継いだ2代目、3代目の経営者にとってすごく参考になるんじゃないかなって思ってるよ。長年続いた既存の事業に新しいビジネスを入れるのってすごく難しいし、どうやって引き継いでいけばいいかも分からない。でも、まーくんはその事業をうまく引き継いで今の時代にあったシェアハウス事業や銭湯グッズインターネット販売事業をしてる。それってすごいことだよね。後半では、どうやって引き継いだ資産を後継者として新しい色にしていくのか詳しく聞かせてほしいね。

中編につづく

次回は、「後継者として引き継いだビジネスをいかに自分色に変えていくか?」をお届けします。

【中編】「後継者として引き継いだビジネスをいかに自分色に変えていくか?」はこちら
【後編】「「先代のつながり」をいかに「自分のつながり」へと変えていくのか?」はこちら


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中村 あきら

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