伝説のスピーチ


あきらです。

1992年の地球サミット(リオデジャネイロ)で、
セヴァン・スズキという12歳の少女が「伝説のスピーチ」を行いました。

 

セヴァン・スズキは9歳の時に、
ECO(Environmental Children Organization)という
小さなグループを立ち上げ、仲間の子どもたちと
一緒に地球環境問題について学びあう活動をはじめたのです。

そして、12歳の時に、ブラジルで地球サミットをやることを聞き、
『私たちがこれに参加しないといけない!』と決意し、
なんと、自分達でブラジルに行く費用を集めようとしたのです!

父親には無理と言われましたが、彼女はあきらめませんでした。
そして、とうとうお金を工面したのです!

子供4人でブラジルへとわたりました。
そして、フォーラムに参加し、通行人に向かい、
毎日、毎日、毎日、彼女たちはメッセージを発したのです!

最初は、だれも聞いてくれません。
しかし、少しずつ、少しずつ、人の心を動かしはじめます。

そして、その通行人に国連の職員の方がおり、
たまたまそのメッセージを聞いたのです。

そして、地球サミットが終わる直前、彼女たちに一本の電話が
かかってきたのです。

『5分間だけスピーチをする機会を与えるから、
スピーチしてみないか?』

と。

そして、彼女はタクシーで会場へと向かい、
タクシーの中で、毎日メッセージを出していたのを
殴り書きでまとめ、そして壇上にたったのです。

そして、そこで発表したのが、
この伝説のスピーチ。

まさに信念、想いの結晶であり、
そのメッセージには人を動かす力があります。

 

最後に映像があります。

 

日本語訳

 

こんにちは、セヴァン・スズキです。

エコを代表してお話しします。
エコというのは、 子供環境運動(エンヴァイロンメンタル・チルドレンズ・オーガニゼェーション)の略です。

カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりで、
今の世界を変えるためにがんばっています。

あなたがた大人たちにも、
ぜひ生き方を変えていただくようお願いするために、
自分たちで費用をためて、
カナダからブラジルまで1万キロの旅をして来ました。

今日の私の話には、ウラもオモテもありません。
なぜって、私が環境運動をしているのは、私自身の未来のため。

自分の未来を失うことは、
選挙で負けたり、株で損したりするのとはわけが違うんですから。

私がここに立って話をしているのは未来に生きる子供たちのためです。

世界中の飢えに苦しむ子供たちのためです。
そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている
無数の動物たちのためです。

太陽のもとにでるのが、私は怖い。

オゾン層に穴があいたから。
呼吸をすることさえこわい。
空気にどんな毒が入っているかもしれないから。

父とよくバンクーバーで釣りをしたものです。
数年前に、体中ガンにおかされた魚と出会うまで。

そして今、
動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを私たちは耳にします。
それらは、もう永遠にもどってはこないんです。

私の世代には、夢があります。
いつか、野生の動物たちの群れや、
たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見ることです。

でも、私の子供たちの世代は、
もうそんな夢をもつことも出来なくなるのではないか?

あなたがたは、私ぐらいの年の時に、
そんなことを心配したことがありますか。

こんな大変なことが、ものすごい勢いで起こっているのに、
私たち人間ときたら、
まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。

まだ子供の私には、
この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。

でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。
あなた方もよい解決法なんて持っていないっていうことを。

オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、
あなたは知らないでしょう?

死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、
あなたは知らないでしょう?

絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、
あなたは知らないでしょう?

そして、今や砂漠となってしまった場所に
どうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう?

どうやって直すのかわからないものを、
壊し続けるのはもうやめてください。

ここでは、あなた方は、政府とか企業とか団体とかの代表でしょう。
あるいは、報道関係者か政治家かもしれない。

でも本当は、
あなたがたも誰かの母親であり、父親であり、
姉妹であり、兄弟であり、叔母であり、叔父なんです。

そしてあなたがたの誰もが、誰かの子供なんです。

私はまだ子供ですが、
ここにいる私たち皆が同じ大きな家族の一員であることを知っています。

そうです50億以上の人間からなる大家族。
いいえ、実は 3千万種類の生物からなる大家族です。

国境や各国の政府がどんなに私たちを分け隔てようとしても、
このことは変えようがありません。

私は子供ですが、
みんながこの大家族の一員であり、
ひとつの目標に向けて
心をひとつにして行動しなければならないことを知っています。

私は怒っています。
でも、自分を見失ってはいません。

私は恐い。
でも、自分の気持ちを世界中に伝えることを、私は恐れません。

私の国でのむだ使いはたいへんなものです。
買っては捨て、また買っては捨てています。

それでも物を浪費しつづける北の国々は、
南の国々と富を分かちあおうとはしません。

物があり余っているのに、
私たちは自分の富を、そのほんの少しでも手ばなすのが怖いんです。

カナダの私たちは十分な食物と水と住まいを持つ
恵まれた生活をしています。

時計、自転車、コンピューター、テレビ、
私たちの持っているものを数えあげたら何日もかかることでしょう。

2日前、
ここブラジルで、
家のないストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。

ひとりの子供が私たちにこう言いました。

「ぼくが金持ちだったらなぁ。
もしそうなら、家のない子すべてに、
食べ物と、着る物と、薬と、住む場所と、
優しさと愛情をあげるのに」

家も何もないひとりの子供が、
分かちあうことを考えているというのに、
すべてを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、
いったいどうしてなんでしょう。

これらのめぐまれない子供たちが、
私と同じぐらいの年だということが、私の頭をはなれません。

どこに生れついたかによって、こんなにも人生がちがってしまう。

私がリオの貧民窟に住む子供のひとりだったかもしれないんです。

ソマリアの飢えた子供だったかも、
中東の戦争で犠牲になるか、
インドでこじきをしてたかもしれないんです。

もし戦争のために使われているお金を全部、
貧しさと環境問題を解決するために使えば
この地球はすばらしい星になるでしょう。

私はまだ子供だけどこのことを知っています。

学校で、いや、幼稚園でさえ、
あなたがた大人は私たちに、世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。

たとえば

* 争いをしないこと

* 話しあいで解決すること

* 他人を尊重すること

* 散らかしたら自分で片付けること

* ほかの生き物をむやみに傷つけないこと

* 分かちあうこと

* そして欲ばらないこと

ならばなぜ、あなた方は、
私たちにするなということをしているんですか。

なぜ、あなた方がこうした会議に出席しているのか、
どうか忘れないでください。

そしていったい誰のためにやっているのか。
それはあなた方の子供、つまり私たちのためです。

あなた方はこうした会議で、
私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。

親たちはよく「大丈夫。すべてうまくいくよ」と言って
子供たちをなぐさめるものです。

あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか
「この世の終わりじゃあるまいし」とか。

しかし大人たちはもう
こんななぐさめの言葉さえ、使うことができなくなっているようです。

お聞きしますが、
私たち子供の未来を真剣に考えたことがありますか。

父はいつも私に不言実行、つまり、なにを言うかではなく、
なにをするかでその人の値打ちが決まる、と言います。

しかし、あなたがた大人がやっていることのせいで、
私たちは泣いています。

あなたがたはいつも私たちを愛しているといいます。

しかし、私は言わせてもらいたい。

もしその言葉が本当なら、
どうか、本当だということを行動でしめしてください。

最後まで私の話をきいてくださってありがとうございました。

 


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